寺田総務大臣の辞任等についての会見
先ほど寺田大臣から、補正予算、被害者救済新法など、重要課題処理の最終段階を迎えている時に、自らの政治資金に関する質疑が続くことで、悪影響を与えたくないという理由で辞任の意向が示されました。これから臨時国会、終盤を迎えます。また、年末にかけて、補正予算、被害者救済新法、防衛力強化、また、コロナ対策など、更には当初予算の編成もあります。こうした重要課題に答えを一つ一つ出すべく努力する、このことを最優先すべき正念場を迎えていると感じていることから、寺田大臣の辞任、これを認めることといたしました。国会中、相次いで閣僚が辞任することとなり、深くお詫び申し上げます。私自身、任命責任を重く受け止めております。国民の皆様の厳しい批判を真摯に受け止めながら、内閣として一層の緊張感を持って、政権運営に当たってまいる所存です。後任の総務大臣については明日、午前中に速やかに発表したいと思っております。
(先月の下旬から閣僚の相次ぐ辞任による政権運営の影響について)
まず、国会の開会中に、大臣が相次いで辞任するという事態に至ったことについては、深くお詫び申し上げ、私自身、任命責任の重さを感じているところであります。ただ、そうした事態の中にあっても、国民生活、そして国民の命や暮らしを守るために、果たさなければいけない多くの重要な政治課題があります。こうしたものを一つ一つ乗り越え、そして結果を出すことによって、自らの責任を果たしていかなければならない。こうした思いを改めて強く感じているところであります。
(後任の人事について)
もちろん、様々な確認・調整をしているところであります。いずれにせよ、総務大臣でありますので、地方の財政ですとか税制、またマイナンバーカードの普及、更には通信放送行政、こうしたものに精通している人材を選びたいと思っています。
(総理から寺田大臣へ辞任を言い渡すことはなかったのかについて)
それにつきましては、バンコクでの会見の中で私の考え方を申し上げております。この2か月間、政権の全ての力を困難な課題一つ一つに結論を出すことに集中していく。同時に、寺田大臣には自らの政治資金に関する徹底的な説明責任を果たしてもらわなければならない。この二つの観点からどうあるべきか判断したいという私の考え方を申し上げております。そして、そうした発言を受けて、その上で、本日、本人から辞職の申し出があり、私としても、この重要課題に一つ一つ答えを出すことを最優先にするという考えから辞任を認めたということであります。私自身の考え方について、バンコクの内外記者会見の中で申し上げたことを受けて、寺田大臣として辞表を出された、こうした経緯でありました。その経緯の中で、私の考え方も申し上げさせていただいております。
(寺田大臣をめぐって、政治資金規正法や公選法に抵触するのではないかという問題の本質について)
問題の本質、問題のその中身については、これまでも寺田大臣、様々な形で説明努力を続けてきました。いくつかの課題がありましたが、それぞれに向けて、誠意を持って説明責任を尽くすという観点から努力を続けてきたと承知しています。中身につきましては、その説明の中で、自らの考え、また法律との関係、こうしたものについて説明をしてきたと承知しています。しかし、そういった経緯が続いております。そうした質疑が続くことによって、終盤国会、重要課題を前にして影響が出るのではないか、そういった判断で、先ほど申し上げたような言い方で、辞任の意向を申し出てこられた、こういったことであると思います。ですから辞任の理由と、そして御指摘の、様々な指摘の中身の説明はそういう関係にあると考えています。
(今の時点で政治資金や公選法上の問題があるという考えではないのか)
それについて、正に本人が、委員会等で、国会において説明を続けていたところであると思います。中身については、本人が説明努力を今日まで続けてきました。しかし、国会全体の状況の中で、先ほど冒頭申し上げたような言い方で、大臣として辞任を申し出た、辞任を申し出ることを決断した、こういったことであったと思います。中身と辞任の理由は、そういう関係にあるのだと思っています。
(岸田総理の認識も寺田大臣が説明してきたものと同じであるのか)
説明については、実態を最もよく知る本人が説明するべきであるということを申し上げてきました。説明をし、そしてその説明が不十分であるというのであるならば、更に説明を尽くしてもらう、こうしたことを繰り返し私も申し上げてきました。そういった努力は続けられてきたと認識しています。そして今日は、こうした質問が続くことが国会審議に影響を与えるということに鑑みて辞任を申し出た。これが寺田大臣のありようでありましたし、私自身もそうした質疑については、説明責任を尽くすようにと促し続けてきた、こうしたことであったと思っています。
(宏池会所属の大臣が立て続けに辞任することで、政権運営にどのような影響を与えるかについて)
まず、派閥に関わらず、こうした辞任という事態に至ったことは、これは大変遺憾なことであり、私自身もそのことの責任は重く受け止めなければならないと思います。だからこそ、これから終盤国会において、政権としての責任、政治としての責任、これを具体的な結果で果たすことによって、こうした事態にしっかり向き合っていかなければいけない、努力していかなければいけない、こういった思いを新たにしているところであります。