葉梨法務大臣の辞任等についての会見
葉梨大臣から、政権として様々な懸案を抱える中、軽率な発言によって、今後の補正予算、あるいは重要法案の審議に迷惑をかけたくない、身を引きたいとの申出がありました。法務行政の根幹に関わる制度についての軽率な発言によって、法務行政に対する国民の信頼を損ねたこと、また旧統一教会による被害者救済に政府を挙げて取り組む中、その重責の一端を担う法務大臣の発言によって重要施策の審議などに遅滞が生じることを考慮し、辞任の申出を認めました。外遊については、明日早朝から始まるASEAN(東南アジア諸国連合)関連首脳会議など一連の日程に予定どおり出席するべく、この後、午前1時に出発する予定で調整をしております。民法改正、旧統一教会による被害者救済など、法務省の抱える重要課題に鑑み、後任は幅広い分野で政務、実務、双方に豊富な経験を持ち、分かりやすく安定した答弁能力に定評のある齋藤健氏にお願いすることとし、本日、所要の手続を済ませることとしたいと思っております。
(葉梨大臣の発言は問題だったという認識がなかったかについて)
いや、葉梨大臣については昨日厳しく注意を行い、改めて、その職責を自覚し、説明責任を徹底的に果たすよう指示を出したところです。問題がなかったなどとは思っておりません。説明責任をしっかり果たす、こういった指示を出し、そして本日、本人から辞職の申出があった。葉梨大臣による発言の影響、私自身も重く受け止め、辞任を受け入れる決断をしたところであります。
(総理の任命責任について)
私自身の任命責任につきましても重く受け止めております。今後、山積する課題の取組を進めていくことによって職責を果たしていきたいと思っています。
(葉梨大臣に辞任を進言することはなかったのかについて)
御指摘のように、葉梨大臣とは様々な話をしました。しかし、結論として、丁寧に説明を尽くしてもらわなければならない、こういった指示を行い、今日の国会に臨んでもらったということであります。そして本日、国会後に葉梨大臣から辞任の申出があった、こうした経過でありました。
(説明を尽くすのであれば、葉梨大臣の発言自体には問題がなかったのかについて)
いや、問題があるから厳重注意をしたのであり、そして説明を尽くしてもらわなければならない、こうした指示を出したわけであります。問題があるからこそ、こうした注意を行ったわけですし、そうした説明責任を尽くすよう指示を出した、このように認識をしております。
(更迭するという判断に至らなかった理由について)
今申し上げたように、厳重注意をし、説明責任を果たしてもらわなければならない、これを指示したところであります。その説明責任、本日国会においても大臣として説明を行ってもらいました。しかしその結果、本日、国会後に本人から辞職の申出があった、そしてその発言の重みや影響に鑑みて、私がそれを受け入れた、決断をした、こうしたことであります。先ほど来申し上げているように、その発言、大変問題があるからこそ厳しく注意をしたわけでありますし、説明責任を尽くしてもらわなければならない、これ強く指示を出したところであります。結果として、本人からの申出を受け入れた、こうした経緯について先ほど来申し上げております。
(二人目の大臣辞任の政権に対する影響及び岸田派からの大臣の辞任に対する思いについて)
まず、派閥のいかんに関わらず辞任という状況になったこと、これは大変遺憾に思っています。そして私自身、任命責任を重く受け止めております。どの派閥であったとしても、こうした辞任に至ったことについて、総理大臣としての責任を重く受け止めているということでありますし、是非課題をしっかりと取り組み、解決することによって、責任を果たしていきたいと思っております。