HeForSheサミット 岸田総理スピーチ
本会合の主催者であるバフースUN Women(国連女性機関)事務局長、御列席のチャンピオンの皆様方、そしてHeForShe支持者の方々と、この場に集うことができますこと、大変うれしく思っています。そして、HeForShe初代チャンピオンの安倍晋三元総理に続き、第2期チャンピオンとして就任することを光栄に思っています。
日本のジェンダー平等の実現に向けたコミットメントは不変です。本日は、新しいチャンピオンとして、そのための具体的な取組について話しにまいりました。
まず、未来を拓(ひら)く新しい資本主義です。これは、成長と分配を両輪にしたイニシアティブであり、その中核は、女性の経済的自立であります。これは、男女の賃金格差など、我が国の女性が直面している構造的な問題への対応、そして全ての女性が自ら選んだ道を歩んでいくための重要な鍵です。
また、日本は官民挙げてジェンダー平等と女性のエンパワーメントに向けた取組を強化しており、本日、出木場久征(いでこば ひさゆき)リクルート・ホールディングスCEOが私と共にチャンピオンに就任したことは、その証左です。
日本が、そして世界が変わるためには、我々男性も含めた全社会的な意識改革が必要です。男女全ての人が生きやすい社会を作るべく、日本はHeForSheの理念にのっとり、これまで様々な途上国支援を行ってきました。今後もUN Womenとの連携を一層強化し、誰一人取り残さない社会を作ることに貢献します。
ウクライナを始め世界各地で、女性や女児たちが紛争下の性的暴力という重大な人権侵害に直面しています。日本政府は、紛争関連の性的暴力生存者のためのグローバル基金への貢献を続けており、今回、更に200万ユーロの追加拠出を実施いたしました。傷ついた女性や女児たちが尊厳を取り戻し、また自分らしく生きていくためのサポートを、日本は継続していきます。
こうした私の目標に更なる推進力を得るため、本年12月3日、国際女性会議WAW!(World Assembly for Women)を東京で開催いたします。本日もここに同席している森まさこ総理補佐官が中心になって準備を進めています。今年のテーマは、「WAW! for Mainstreaming Gender into a New Form of Capitalism」です。世界各国の人々と、女性を始め、多様性に配慮した新しい社会と経済に向けて、活発に議論することを楽しみにしています。どうぞ皆さん、WAW!に参加してください。
来年、日本はG7の議長国を務めます。また、国連安全保障理事会では、非常任理事国に就任します。引き続き、国際社会の責任ある一員として、様々な声に耳を傾けながら、ジェンダー平等に向け、力強く貢献していきたいと考えています。
御清聴ありがとうございました