NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議出席についての会見

更新日:令和4年8月1日 総理の演説・記者会見など

(唯一の戦争被爆国として今後どのように核軍縮を主導していくか及び今回の演説での成果と来年のG7広島サミットに向けての課題について)

 まず、おっしゃるように、核軍縮をめぐる国際社会の分断、それからロシアによる核兵器による威嚇など、核兵器のない世界を目指すという歩みにおいては、状況は一層厳しいものになっている、こうした強い危機感を持って今回NPT(核兵器不拡散条約)運用検討会議に出席をさせてもらいました。まずは、この演説の中で、このNPT守護者として、各国と共に日本もNPTを守り抜いていくという強い決意を示す、これがまず大事だと思ってスピーチを作りましたし、併せて現実的なロードマップを核兵器のない世界という理想に向けてしっかり示していく、そのための第一歩として「ヒロシマ・アクション・プラン」という五つの行動を示した、こうしたことであります。このように、現実的にどのように核兵器のない世界に向けて歩みを進めていくのか、これを示すことが日本にとって大事だという思いでスピーチも作りましたし、これからもそういった思いで取組を進めていきたいと思っています。そして今回のこのスピーチを来年のG7広島サミットに繋(つな)げるためにも、まずは今回のNPT運用検討会議、26日まで会議が予定されていますが、その会議において、今回は是非、具体的な成果を出すためにしっかり努力をしていきたいと思っています。

(核兵器禁止条約について触れなかった理由及び核保有国と非核保有国との橋渡し役という言葉がなかった意図について)

 まず、核兵器禁止条約は、核兵器のない世界を目指す上で、出口に当たる重要な条約だと思います。しかし、こうした理想に向けて、今、現実、足元の現実からどのようなプロセスで理想を目指すのか、それを示すことこそ、この現実的な取組として大事である、意味があるということで、今回のスピーチにおいて、この「ヒロシマ・アクション・プラン」を始めとする取組を訴えた、こうしたことであります。核兵器国と非核兵器国の橋渡し役、もちろん大事ですが、今、現実を見ますと、非核兵器国の中でも分断が広がっている、こうした状況でありますので、まずはこうした現実的な取組を示すことが、結果として橋渡し役を果たすことにも繋がるとも思います。このような考え方から、今回のスピーチ、制限時間もあり、限られた中での発信ということでありますから、何よりもまた現実的な取組、具体的にどうやって理想に向けて歩んでいくのか、理想はもちろん大事だけれど、それに向けてどうやって歩んでいくか、これをまず第一歩として示すことこそ大事だという思いでスピーチを作った、そういったことです。

(持参された折り鶴に込めた思いについて)

 12歳で白血病で亡くなられた佐々木禎子(さだこ)さんの物語は、日本においても、これは多くの人たちが知る有名なエピソードでありますが、これは日本のみならず、アメリカ始め海外においても、この物語に感銘を受けた多くの方々がおられるよく知られた物語であるとも承知をしております。こうした物語を引用させていただくことによって、より多くの世界の人々と共に、核兵器のない世界を目指す、そういった思いを示させていただいた、こうしたことでありました。現実的な取組を進めていくという思いをこうした折り鶴にも込めさせていただいた、こうしたことであります。

 それは日本で折り始めて、ここへ来る途中で3羽ほど折りました。

これまでの総理の演説・記者会見など