シャングリラ・ダイアローグ(アジア安全保障会議)での基調講演等についての会見

更新日:令和4年6月10日 総理の演説・記者会見など

(基調講演で訴えたかったこと、その狙い、また参加者からの支持が得られたかについて)

 本日のシャングリラ・ダイアローグでの基調講演は、平和の秩序が大きな挑戦を受ける中にあって、平和国家である日本がどんな役割を果たすべきなのか、こうした考え方を発信する重要な機会になったと思っています。そして、その中で特に、5本柱からなる平和のための岸田ビジョン、これを進めて外交・安全保障面での役割を強化していきたい、こうした決意を表明いたしました。受け入れられたのか、評価されたのかということについては、終わった後の夕食会、多くの方々から声を掛けられ、講演の中身を評価する言葉をずいぶんとたくさん頂きました。前向きな反応を頂けたと受け止めています。手応えを感じているところです。世界が歴史の岐路に立つ中にあって、ASEAN(東南アジア諸国連合)諸国を始め、志を同じくする国々と連携しながら、今日お示ししたビジョンを具体化するべく、力強く外交を進めていきたいと考えています。

(今後の首脳外交の方針について)

 従来から「新時代リアリズム外交」ということを申し上げてきました。国際社会が歴史の岐路に立つ中にあって、未来に対する理想の旗、これはしっかりと掲げつつも、したたかで、そして現実的な、そして普遍的価値を重視する、こうした外交を進めていくということ、「新時代リアリズム外交」という言葉で申し上げてきました。ゴールデンウィークには、アジア・欧州を訪問しました。そして日米首脳会談、日米豪印首脳会合、こうした会合を通じて、少なくとも力による一方的な現状変更、これをいかなる地域においても許してはならないということ、さらには「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けて協力していく、こういったことについては一致することができたと振り返っています。そして今日、このシャングリラ・ダイアローグにおいて、平和のための岸田ビジョン、これを進めるということを表明させていただいた次第ですが、これから予定されておりますG7首脳会合等においても、こうした考え方に基づいて国際社会の平和と繁栄を実現するために日本としてどういった役割を果たしていくのか、こうした思いを首脳外交においてしっかりと示していくことが重要だと思っています。是非、日本ならではの外交というものをしっかり示していきたいと思います。

(韓国との外交について)

 まず、私も1965年の国交正常化以来築いてきた日韓関係、これを発展させていく必要があると思っています。そのためには、労働者問題を始めとする日韓間の懸案の解決、これが急務だと思います。日韓関係を健全な関係に戻すべく、日本としては、これまでの一貫した立場に基づいて新政権と意思疎通を図っていく、こうしたことだと思っています。今後、具体的な会談の予定は決まっておりませんが、是非、韓国側が、今までの政権においてあったいろいろな事柄、こうしたことを踏まえて、どのような考え方を持っているのか、こういったことについて、よく確認をしたいと思っています。

(吉川衆院議員について)

 まず、吉川赳(たける)議員の件については、このシンガポールに向かう機中から茂木幹事長に直接電話をかけて事実関係の確認を指示をいたしました。そして、その過程で今晩、本人から離党届が提出されたということを幹事長の方から逆に報告を受けて、手続を進めることを了承いたしました。そして議員辞職につきましては、本人の方から、まず事実関係、まだ何も説明がされておりませんので、本人が事実関係を説明する責任、説明責任を果たしていく、その中で自ら決定すべきことだと認識をしています。今後の本人の対応を注視していきたいと思っています。

これまでの総理の演説・記者会見など