山梨県訪問等についての会見
まず本日、超電導リニアに試乗し、時速500キロメートル走行についての安全性能・走行性能について説明を受けました。まず、リニアに関して申し上げるならば、このリニア中央新幹線実現に向けて御尽力をされたJR東海の葛西敬之(かさい よしゆき)名誉会長が逝去されました。葛西名誉会長は、国鉄の分割民営化に御尽力されたほか、多くの審議会等において公職を務められ、国に対しても大変な御尽力を頂きました。政府の諸課題に向けて様々な取組を後押ししていただいた方でありました。高い見識に基づく御尽力に心から感謝を申し上げながら、改めて御冥福をお祈り申し上げる次第です。
そして、本日、長崎山梨県知事から御要望を1つ受けました。地方創生臨時交付金の原油価格・物価高騰対応分を活用した地方自治体による生活困窮者向けの独自の給付を公金受取口座登録法の特定公的給付に指定するよう御要望いただきましたが、この要望を受けて、関係省庁に対して、私の方から指示を出すことといたしました。全国の自治体で積極的にデジタルを活用しながら、地方の実情に応じた独自の支援をしていただくことを期待しております。
そして、ここ米倉(こめくら)山では、太陽光発電から水素を生産する世界でも有数の水素生産拠点を視察させていただきました。ロシアによるウクライナ侵略等により、エネルギー安全保障をめぐる環境は、今、一変しております。水素あるいはアンモニアの重みは、ますます増しているということを感じます。こうした中でありますので、先日は神戸において、海外から水素を輸入する際の最新鋭の水素運搬船を視察させていただきました。そして、今日は国内の水素生産拠点を視察させていただきました。こうした国産水素を、大規模な供給拠点を整備して後押ししていくということは、水素・アンモニアの重要性を考えますときに、これからの日本にとりまして、大変重要な取組だと考えています。是非、政府としましても、こうした取組を後押ししていきたいと思っています。先週、私がクリーンエネルギー戦略会議で申し上げた、前例のない支援の枠組みを通じて、水素・アンモニアを需給両面から導入拡大を促す、こうした取組をしっかりと進め、官民協調で150兆円の脱炭素分野での新たな関連投資を実現していきたいと考えています。
(リニアの工事を今後どのように進めていくかについて)
リニアについては、まず、リニアに対する期待ということを申し上げるならば、三大都市圏を一つの経済圏にする、こうした取組は、デジタル田園都市国家構想を推し進める上からも重要な基幹インフラであるということを感じています。そして、国としても、平成28年に全線開業までの期間を最大8年前倒しするということを目指して、財政投融資を活用して3兆円の貸付を行ったところです。是非、沿線自治体の理解を得つつ、事業を進めていくことが重要であると認識いたします。そして、その上でまず品川・名古屋間においては、静岡県からの要請を受けて、環境保全に関する国の有識者会議を速やかに設置したいと思います。水資源対策と併せて、課題解決に向けた取組を進め、そして、この整備環境を早期に整える、こうした有識者会議等を通じて、こうした環境整備に努めていきたいと思っています。もう一点が、全線開業前倒しを図るために建設主体が行う環境影響評価ですが、来年から建設主体が着手できるように沿線自治体と連携しつつ、必要な指導・支援を行ってまいりたいと思います。こうした取組を通じて、是非このリニアの取組を政府としてもしっかりと支援していきたいと思っています。
(地方の物価高騰等について)
今、エネルギー環境の変化等もあり、原油あるいは原材料の価格高騰は世界的に大きな課題となっています。国内においても様々な物価高騰において、多くの国民の皆さんの暮らし、あるいは事業に影響が出ている状況であります。そうした声、特に地方における様々な声をこれからも丁寧に政府としてもお聞きし、受け止め、政策に反映していく、こうした努力は大事だと思います。そのためには、まず先日明らかにした事業規模13兆円の総合緊急対策を実現する。さらには、昨年11月の事業規模79兆円の経済対策もしっかりと実行することによって、国民の皆さんの下に届けていく。こうした取組は大事だと思います。そしてあわせて、これから未来を考えた場合に、日本の経済の再生を考えた場合に、今日のリニア実験線での取組ですとか、水素ステーションにおける取組は、日本の大きな可能性を考える上で大変重要な取組だと思います。こうした未来に向けての取組もしっかりと後押ししていかなければいけない。こんなことを感じた次第です。
(参院選山梨選挙区の動向について)
選挙については様々な情報を頂いています。この山梨選挙区においても激戦が予想されるという話を聞いております。ただ、選挙、告示までは1か月を切りましたが、投票まで1か月ある。こうした貴重な期間がこれから控えています。是非、政治の安定のために、与党候補者に努力をしてもらいたいと、党の総裁の立場からは感じております。
(石炭火力発電所の段階的廃止の実現可能性について)
石炭に対する考え方は、もう既に我が国として明らかにしています。ただ、現実、様々な分野、業種等の実情もしっかり踏まえた上で国民の皆さんの理解も得ながら進めていく、これが基本的な考え方です。各国のそれぞれの取組を参考にしながら、政府としましても、明らかにしている方針に基づいて取組を進めていきたいと思っています。