日独共同記者会見

更新日:令和4年4月28日 総理の演説・記者会見など

【岸田総理冒頭発言】
 ショルツ首相の御訪日を心から歓迎申し上げます。
 両国は、ユーラシア大陸の東西に位置し、地理的には離れていますが、自由、民主主義、法の支配といった普遍的な価値を共有し、戦後の国際社会において、これを推進すべく協力してきたかけがえのない戦略的パートナーです。
 オラフが、憲法改正に関するドイツ連邦議会での議論が昨日始まったという重要なタイミングで、過密なスケジュールの合間を縫って、本日、アジアにおける最初の訪問先として日本に来られたことは、ドイツの日本重視の表れであり、心から歓迎いたします。
 現在、国際社会はロシアのウクライナ侵略により大きな岐路に立っており、ロシアによる侵略を終わらせ、国際社会の平和と安定、そして国際秩序を回復し、維持・強化するための正念場を迎えています。
 日独は前例のない強力な対露制裁を実施するとともに、ウクライナへの支援を強化してまいります。
 我々は、G7を始めとする国際社会が今次侵略に毅然(きぜん)と対応することが重要であるとの認識を共有するとともに、ウクライナ政府と国民を全力で支えていくことが両国共通の責務であることを確認いたしました。
 今回、日独の協力により、オラフの帰国に際し、日本国民から駐日ウクライナ大使館に寄せられたおむつ、生理用品といった日用品をドイツ政府専用機で輸送していただくこととなりました。ドイツ側の御協力に感謝いたします。この日独共同の取組が、ウクライナ国民に対する心強いメッセージとなることを期待いたします。
 正に今、普遍的価値を基礎として、国際社会を牽引(けんいん)するG7の重要性がかつてないほど高まっています。
 本年のG7議長であるオラフのリーダーシップに敬意を表します。そして、本年と来年のG7議長国である日独が緊密に連携し、国際社会の危機に効果的に対処すべく、G7の舵(かじ)取りをしっかりと担っていく決意を新たにいたします。
 また、ロシアのウクライナ侵略が、欧州のみならず、インド太平洋地域を含む国際秩序の根幹を揺るがす中、近年、ドイツがインド太平洋地域への関心と関与を強めていることを歓迎いたします。
 昨年のコロナ禍にあっても、両国間で初の2+2、外務・防衛閣僚会合の開催、ドイツのフリゲート艦バイエルンの日本寄港、その際の日独共同訓練や瀬取り対応の実施など、日独間の安全保障協力は大きな進展を遂げています。
 こうした二国間協力の深化を背景に、本日、オラフとの間で、次回2+2の早期開催を含め、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、引き続き日独が緊密に協力していくことを確認いたしました。
 また、両国首脳が参加する政府間協議を新たに立ち上げ、来年の開催を目指すことで一致いたしました。
 この後の夕食会では、アジアや中東などの地域情勢、気候変動、軍縮・不拡散など、グローバル課題についても、引き続き議論する予定です。
 改めてオラフの御訪日に感謝を申し上げたいと思います。

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