アジア・太平洋水サミット及び各国首脳との会談等についての会見
(アジア・太平洋水サミットの成果、熊本での開催の意義及び各国首脳との会談について)
まず、本日、アジア太平洋地域の首脳・閣僚級のハイレベルの参加の下、アジア・太平洋水サミットを開催いたしました。阿蘇(あそ)山の地下水に恵まれ、またこれまで多くの豪雨災害も経験したこの熊本の地で、水循環、そして治水対策の分野における我が国の先進的な取組を発信し、首脳宣言を取りまとめたこと、これは熊本の被災地の復興を世界に向けて発信する観点からも大きな意義があったと思っています。
特に私からは、首脳級会合の基調演説において、「熊本水イニシアティブ」を発信いたしました。新しい資本主義の下、我が国の先進技術を活用した質の高いインフラ整備等を通じて、水関連の社会課題解決の加速化に積極的に貢献していく。こうしたことを訴え、5年間で約5,000億円の支援、これを表明しています。この「熊本水イニシアティブ」は、首脳宣言において支持され、今後、アジア太平洋地域のみならず、世界の水問題、そして防災、気候変動に関する具体的な行動にしっかりつながっていくと考えています。
そして御指摘のように、ツバル、カンボジア、ラオス、各国首脳と二国間会談を行いました。各国首脳からは、「熊本水イニシアティブ」を始めとした我が国の水分野でのリーダーシップ、これを高く評価するという声が出されました。また、ウクライナ情勢への対応等において連携するということ、また、二国間関係の強化を確認するなど、それぞれ有意義な意見交換ができたと受け止めています。
(日・ツバル首脳会談における中国に関する意見交換の有無について)
中国については、太平洋島しょ国地域における同国の最近の動向について意見交換を行いました。ただ、詳細については外交上のやり取りですので、ここで具体的に申し上げることは控えます。いずれにしろ我が国としては、この中国の動向、太平洋島しょ国における動向について、関心を持って注視しているところであります。
(ロシアによるウクライナ侵攻から2か月となることの受け止め及び物価高騰など国民生活への影響を踏まえた今後の対応について)
おっしゃるように2か月たっていますが、ロシアによる非道な侵略を終わらせるためにも、今が正念場であると感じています。ウクライナ侵略、これはアジアを含む国際社会の秩序を揺るがす行為であります。こうした行為に対して、国際社会が一致結束して毅然(きぜん)と行動すること、これが極めて重要です。今回の水サミットの機会においても、先ほど申し上げたように、ツバル、カンボジア、ラオス、こうした首脳との間においても、ウクライナ情勢への対応で連携しようということを確認した次第です。ロシアが国際社会の声に耳を傾け、そして侵略をやめるように、今後とも、G7を始めとする国際社会と連携して、厳しい対露制裁措置を講じてまいります。
おっしゃるように原油等、国際的な物価高騰によって、我が国の生活、国民の生活や経済にも影響が出てきておりますし、今後の動向も不透明ではありますが、しかし今、国際社会がそれぞれの立場で歯を食いしばって平和の秩序を守ろうと努力しているところですので、まず政府としては、しっかりとした物価対策を用意して、国民生活、経済への影響、これをできるだけ抑えるべく努力していきたいと思いますが、国民の皆さんにもこうした政府の取組に協力していただき、共に平和を守るための正念場であるという思いを共有していただき、御協力いただければと思っています。