岩手県及び宮城県訪問等についての会見

更新日:令和4年3月12日 総理の演説・記者会見など

(被災地の復興に政府としてどのような姿勢で取り組むか、及びGoToトラベルなどの再開の時期について)

 昨日の福島での追悼式の出席に続き、本日は岩手そして宮城、この両県の国営追悼祈念施設を訪問し、そして献花・黙とうを捧(ささ)げさせていただき、あわせて、地元の復興状況についてお話を聞かせていただきました。震災から11年を迎える中、住宅あるいは道路を始めとした、ハード面での整備が進んだ一方で、引き続き、心のケアですとか、産業・生業(なりわい)の復興といったソフト面での取組、これを着実に進めていかなければならない、こうしたことを感じています。そして今、風化の問題についても、御指摘がありましたが、震災あるいは原発事故の貴重な教訓を後世にしっかり残し、そして継承し、これを防災や減災にいかしていく。これは私達の責務であると認識しています。今後とも被災自治体とも連携しながら、こうした震災の記憶ですとか、あるいは教訓、これを引き続き、しっかりと発信していく努力をしていかなければならないと認識しています。そして、観光業等から、GoToトラベル等への取組に対する期待があるという御指摘ですが、このGoToトラベル事業の具体的な開始時期については、今後の感染状況ですとか、専門家の意見も聞きながら考えていかなければならない、今引き続き考えているところでありますが、地域の観光業の皆さんを中心に、GoToトラベル事業に対する期待が大変大きいということは我々も認識しています。今申し上げたように時期については、感染状況や専門家の意見をしっかり聞かなければならないと思いますが、そうした適切な時期が来たならば、迅速に再開できるように政府としても準備は進めていきたいと考えます。

(福島第一原発の処理水の海洋放出に対する風評被害の懸念への対応について)

 まず、震災に加えて新型コロナの影響もあり、被災地の方々二重三重の御苦労されているものであると承知をしております。被災地の主要産業であります、水産加工業の販路回復、あるいは観光地の魅力を高める取組など、産業や生業の再生に向けて支援をしっかりと行うとともに、コロナ対策、事業復活支援金ですとか、あるいは資金繰り支援など、こうした新型コロナ対策にも万全を期していかなければならないと思っています。そしてALPS(多核種除去設備)処理水について御質問がありましたが、ALPS処理水については、まずはIAEA(国際原子力機関)の協力等もしっかりと得ながら、安全性の確保これにまず努めなければならないと考えますし、安全性について国内外に分かりやすく伝えていく、こうしたことによって安心感を醸成していく、これが重要であると思います。そしてさらには、風評被害ということについては、風評被害は生じさせないという決意を持って風評対策に、政府を挙げて取り組むことが重要であると考えます。安全性の確保、安全性の分かりやすい発信、そして風評被害に対してしっかり取り組んでいく、こうした対策を進めることによって、地元の皆様方の理解をいただくことが重要であると認識しています。

(震災の教訓を踏まえた沿岸被災地の今後の防災の備えについて)

 御指摘の日本海溝地震等に関する被害想定ですが、これは東日本大震災の教訓も踏まえ、最悪のケースを示したものと承知していますが、これに対して避難施設整備など必要な防災対策、これを徹底することによって、被害を大幅に減らすことが可能であるという専門家の指摘があると承知しています。是非こうした専門家の意見もしっかり踏まえながら、被害を減らす努力、政府も自治体と連携しながらしっかり進めていきたいと考えております。

(ソフト面の復興について具体的にどのように取り組む考えかについて)

 御指摘の点、様々な関係者の皆様方からも御意見を伺っています。震災から11年経過する中で、災害公営住宅への移転に伴う居住環境の変化ですとか、避難生活の長期化など、被災された方々のおかれている環境は多様化しています。コミュニティの喪失、あるいは被災者の方々の孤独や孤立、こうした問題に対して、それぞれの状況に応じた支援を行うことが重要であると認識いたします。そのために、被災者支援総合交付金を通じて、新しい居住先でのコミュニティ作り、また交流イベント等を通じた被災者の方々の生きがい作り、また災害公営住宅で暮らす高齢者の方々に対する日常的な見守り、あるいは相談、こうした支援を生活再建のステージに応じて切れ目なく用意していくことが重要であると考えます。こうした考え方に基づいて国としても自治体の取組を後押ししていきたいと考えます。

(ALPS処理水の海洋放出について何をもって地元の理解を得られたというふうに判断するのか等について)

 これは政府として方針を明らかにしていますが、その方針のスケジュール感の中で、政府として最大限理解を得る努力、先ほど申し上げました3つの取組を中心に努力していく、そしてそれを地元の皆さんに見ていただく、こういった形で理解をいただくよう努力を続けるということであると思います。何をもって理解をされたと、判断するのかということですが、数量的にこれを測ることは難しいと思いますが、是非地元の皆さんの全体の雰囲気の中で御理解をいただけるよう国としても、引き続きこのスケジュールの中でしっかりと努力を続けていく、これに尽きると考えております。

(G7首脳が発表した共同声明を踏まえ日本政府として今後ロシアへの追加制裁についてどのように検討していくのか、及び、近くG7首脳会合でロシアへの対応について話し合う予定があるかについて)

 昨日ですがG7首脳声明を発出いたしました。ロシアのウクライナ侵略、これは国際秩序の根幹を揺るがすものであり、G7としてこうした行為は決して認めないという姿勢。さらにはウクライナとの連帯を改めて結束して示す、こうした意図からG7で協調して更なる具体的な行動を取っていく、こうしたことを表明した次第です。この内容においては、エネルギーや金融を始め、様々な課題が盛り込まれていますが、政府としましても、こうした声明に基づいて、G7と協調しながら具体的な行動を取っていきたいと考えています。制裁についてどうかということでありますが、今後各国とも具体的な取組を今進めようとしておりますので、日本も連携という観点からどうあるべきなのかしっかり考えていきたいと思っております。G7首脳会合については、先日来、テレビ会議もありましたが、電話会議もありました。今後とも必要に応じてこうした様々な形での連携を取っていくことは十分考えられると思っています。具体的な日程は決まっていませんが、ウクライナ情勢はどんどん変化しております。変化に機動的に対応するためにG7の意思疎通は重要であると思っています。首脳会談だけではなく、エネルギー閣僚、あるいは財務大臣、こうした様々なレベルで、G7の連携は取っており、是非そうした様々な切り口から連携を充実させていく努力は続けていきたいと考えます。

(自治体によるウクライナ人の避難民の受入れが増えると考えられるところ今後の対応について)

 御指摘のように、陸前高田市でもそういったお話を頂きましたが、先ほど石巻市でも、そういった受入れの話も頂きました。こうした御意向は他にもあるんだと想像はいたします。国としても既にウクライナから第三国に避難された方々を日本としても受け入れるということは表明させていただいています。今後、具体的に避難されている方々の意向、日本の受入れを希望されるかどうか、そしてどのような生活を期待されるのか、こういった具体的な御要望を聞いた上で国としても対応していかなければならないと思います。ですから今、最初からこういった形ということは申し上げることは難しいとは思っていますが、状況はどんどん変化しています。その中で避難されているウクライナの方々の気持ちに寄り添って要望をしっかり踏まえた上で、政府としても、自治体と連携しながら期待に応えられるような受入れを考えていきたいと思います。

関連リンク

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