岸田総理によるジャパン・タイムズ紙への寄稿文

　２０２３年を締めくくるにあたり、日・ＡＳＥＡＮ（東南アジア諸国連合）友好協力５０周年を祝し、本年最大のハイレベル・イベントの一つとして、特別首脳会議を東京で主催します。
　日本とＡＳＥＡＮの関係は、世界に先んじてＡＳＥＡＮとの公式な対話を開始した半世紀前に始まりました。以来、日本とＡＳＥＡＮは関係を拡大・深化させ、互いに主要な貿易・投資パートナーとなっただけでなく、幅広い「人と人」の交流に基づき「心と心」で繋（つな）がる真の友人となりました。
　現在、国際社会は歴史的な転換点にあり、法の支配に基づく国際秩序は重大な挑戦を受けています。また、我々は気候変動、公衆衛生危機、社会的格差など、複雑で複合的な課題にも直面しています。
　次の５０年に向けて、我々は、長年にわたり培ってきた相互の信頼と尊重に基づき、引き続き緊密に協力していきます。既存の、そして新たな課題に共同で取り組み、自由で開かれたインド太平洋地域を確かなものとし、全ての人々に繁栄をもたらします。
　この特別首脳会議を通じて、ＡＳＥＡＮ各国の首脳とともに、過去半世紀にわたって培われてきた「心と心」の繋がる関係を礎に、東京からビジョンを発信し、信頼の絆（きずな）を次世代に引き継ぎます。このビジョンが、日本とＡＳＥＡＮが、この地域だけでなく国際社会全体にとって持続可能で豊かな未来を共創していく強固な信頼のパートナーであることを世界に示すと期待しています。