第10回「富士山会合」 岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和5年10月23日 総理の指示・談話など

 内閣総理大臣の岸田文雄です。
 今回、「富士山会合」の、記念すべき第10回の会合が開催されますことに、心からお祝い申し上げます。
 これまで、長きにわたり、種々御尽力・御支援をいただいている、日本経済研究センター、日本国際問題研究所を始めとする関係者の皆様に敬意を表します。
 富士山の4つの登山ルートのうち、最も人気のあるルートは吉田口登山道コースと言われています。「富士山は吉田口から登れ」という言葉があります。困難な挑戦こそ、奇をてらうことなく、真正面からしっかりと取り組むことが成功の秘訣(ひけつ)です。
 私はかねてから、国際社会は今、歴史的な転換点にあり、我々が奉じてきた、法の支配に基づく、自由で開かれた国際秩序が重大な危機にさらされている、と申し上げてきました。
 パワーバランスの変化と地政学的競争の激化の中、様々な課題が山積し、複合的危機を産み出しています。難しい舵(かじ)取りが求められる国際情勢の中において、国際社会に平和と安定をもたらし、我々自身の安全と繁栄を守り抜くためには、同盟国・同志国で連携し、国際社会における価値観の相違、利害の衝突を乗り越え、一つ一つの課題に、真正面からしっかりと向き合い、協力を進めていかなければなりません。
 富士登山が山頂に近くなると大変になるように、「富士山会合」の参加者の皆様が取り組む諸課題も、ますます複雑・困難なものになってきています。この「富士山会合」、10回目に到達しても、視野の拡がりとともに、日米両国がそれぞれ取り組むべき課題が更に見えてきます。歩みを止めることなく、日米で連携し、更なるリーダーシップを発揮していかなければなりません。
 産学官の垣根を越えた参加者の自由闊達(かったつ)な議論が、日米両国の関係を、更なる高みへと引き上げていくことでしょう。次の10年に向け、「富士山会合」の成功、そして皆様の御健勝と更なる御活躍を心から祈念し、私の挨拶とさせていただきます。
 御清聴、ありがとうございました。