第60回全国建設業労働災害防止大会 岸田総理ビデオメッセージ
この度、広島市において第60回全国建設業労働災害防止大会が開催されますことを、心よりお慶(よろこ)び申し上げます。
本大会の主催者である建設業労働災害防止協会は、1964年の設立以来、建設業の健全な発展に資するために、積極的に労働災害防止活動に取り組まれており、その長年の御尽力に対して改めて心より深く敬意を表します。
また、我が国の建設業の労働災害防止活動に精力的に取り組んでこられた御功績を讃(たた)えられ、本日、栄えある表彰を受賞される皆様に対して心からお祝いを申し上げます。
近年、気候変動の影響もあり、自然災害が激甚化、頻発化しており、各地で深刻な被害が多発しております。国民の命と暮らしを守ることは国の重要な責務であり、政府として防災・減災、国土強靱(きょうじん)化に向けた対策を進めています。建設業は、防災・減災、国土強靱化を始めとする社会資本整備の担い手であると同時に、災害時には真っ先に現場に駆けつけ、応急、復旧、復興を担う地域の守り手です。
国民生活や社会経済になくてはならない存在である建設業界が今後ともその役割を果たしていくためには、官民共同で、建設業に携わる方々が、安全に、安心して働ける職場環境を形成していくとともに、次世代を担う若者たちが将来に希望を持てるような魅力ある産業にしていかなければなりません。このため、政府としては、公共工事設計労務単価について、物価上昇を上回る前年度比プラス5.2パーセントの引上げを実施するなど、現場で働く方々の賃上げや働き方改革に重点的に取り組んでいます。
我が国の建設業における労働災害は長期的に減少傾向にあり、これは貴協会が労働災害を防止するための安全衛生教育の実施やキャンペーンの展開等、長年にわたる取組の効果が確実に現れてきているものと思います。
しかしながら、労働災害によって尊い人命がいまだ失われている状況にあることも事実であり、労働災害の撲滅を目指し、今後もなお一層の取組をお願いいたします。
結びに、今回の第60回全国大会の盛会と貴協会のますますの御発展、会員各位の御健勝、御活躍を祈念いたしましてお祝いの言葉といたします。