ボストンバイオスタートアップイベントに際しての岸田総理ビデオメッセージ
日本の内閣総理大臣、岸田文雄です。ジャパン・イノベーション・ナイトに、ようこそお越しくださいました。
ロブスターの季節のボストンに伺えないのは、誠に残念ですが、本日お集まりの皆さんに、私が申し上げたいことは、ただ一つ。
今こそ、日本の創薬スタートアップに投資するときだということです。
日本では、世界に類のないスピードで、高齢化が進んでいます。
様々な疾患や身体機能の衰え、介護の課題。高齢化がもたらす社会課題が、次々と現実のものとなってきています。そんな日本に投資するのか。そう思う方もいるかもしれません。
しかし、だからこそ、大きな成長のチャンスがある。私は、そう考えています。
日本には世界の未来があるからです。世界全体が高齢化していく時代にあって、日本こそ、その先駆けだからです。皆さんが、未来の世界が求めるイノベーションを、誰よりも早く、生み出したいと思うなら、是非、日本に注目してください。
そして、そのイノベーションの担い手は、スタートアップです。核酸(かくさん)医薬、再生医療、遺伝子治療。バイオ技術によって、これまでにない医療・創薬が可能となる中で、革新的なイノベーションを牽引(けんいん)できるのは、これまでにない発想を持つ、スタートアップです。
私は、日本のスタートアップに、70億ドルを超える予算を投じることを決め、予算を成立させました。そして、その予算の、実に3割を占めるのが、創薬分野のスタートアップ支援です。
私が、どれだけ創薬分野のイノベーションに期待しているか、お分かりいただけると思います。
日本の景色はこの1年で一変しました。世界の創薬イノベーションをリードするボストンの皆さん。どうか日本に投資してください。
20億ドルを上回る予算で、皆さんの投資額の2倍のインセンティブが与えられる仕組みも用意されています。
詳しくは、この後、専門家から説明がありますが、今こそ、日本の創薬スタートアップに投資するときです。
今日ここから、どうか大きな一歩を踏み出してください。皆さんの御関心と来日を心よりお待ちしております。