Hydrogen Council CEO会合に際しての岸田総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の岸田文雄です。本日は、Hydrogen Council CEO会合の開催を心よりお慶(よろこ)び申し上げます。
今、世界は、気候変動を始め、様々な課題に直面しています。先日のG7広島サミットでは、こうした課題に正面から向き合い、G7、さらには、いわゆるグローバルサウスと言われる国際的なパートナー等とともに、膝詰めで議論いたしました。
エネルギーについては、エネルギー安全保障、気候危機、地政学的リスクを一体的に捉え、各国の事情に応じた多様な道筋の下でネット・ゼロという共通のゴールを目指す、つまりOne Goal、Various Pathwaysの考え方を共有することができました。
日本は、こうした考えの下、これまで培ってきた水素やアンモニアなどの脱炭素技術や経験をいかしながら、アジアと共にエネルギー移行を目指すアジア・ゼロエミッション共同体構想を進めてまいります。
G7広島サミットの機会には、ベトナムのチン首相に、日本が誇る世界初の水素輸送船を見学していただきましたが、日本は、アジア・太平洋をまたぐ、大規模な水素サプライチェーンの実現に向け、投資を加速していきます。
世界のエネルギー転換には、2030年までに約7,000億ドルの水素への投資が必要と言われています。
日本は、水素を含む、グリーン・トランスフォーメーションのため、10年間で官民で150兆円超の投資を実現すべく、国が呼び水として、20兆円の先行投資を行うための枠組みを創設しました。
さらに、6年ぶりに水素基本戦略を改定し、2040年に1,200万トンの水素導入など高い目標を定めることで、予見可能性を高め、長期投資を呼び込み、大規模な水素供給と需要の掘り出しを実現していきます。
本日は、水素社会を牽引(けんいん)するリーダーが、世界からお集まりです。
力を合わせ、水素への投資と成長のうねりを起こし、世界の脱炭素化に向かって、共に歩みを進めていきましょう。
最後になりますが、本会合に御出席の皆様の御活躍と、世界の水素市場の発展を祈念し、私からの御挨拶といたします。ありがとうございました。