日本商工会議所第136回通常会員総会における岸田総理ビデオメッセージ
日本商工会議所第136回通常会員総会に当たり、一言御挨拶申し上げます。小林会頭を始め、日本商工会議所の皆様には、日頃より、大変お世話になっており、感謝申し上げます。
新型コロナ、ロシアによるウクライナ侵略等に加え、地球環境問題など、歴史を画する課題に対し、官民連携で、新たな方向性に踏み出すべく、新しい資本主義の下、スタートアップ政策、エネルギーの安定供給と脱炭素を両立させるGX(グリーン・トランスフォーメーション)政策、国内投資支援策、デジタル田園都市国家構想の具体化などを進めてまいりました。
本年は、新型コロナから、全面的に日常を取り戻し、日本を、本格的な経済回復、そして、新たな経済成長の軌道に乗せていきます。3月13日からは、マスクの着用について見直しました。また、5月には、感染症法上の位置づけの見直しを行うこととしています。観光を始め、地域が一歩一歩賑(にぎ)わいを取り戻せるよう、支援を進めてまいります。
また、国民生活や企業活動に大きな影響を及ぼしている、足下の物価高に的確に対応します。エネルギー料金の負担軽減策等がスタートしていますが、エネルギーと食料品価格上昇への対応について、必要な追加策の検討を進め、年度末に向けて、取りまとめます。
あわせて、物価上昇を超える賃上げを実現することも重要です。政府としても、価格転嫁対策の強化や生産性向上支援など、賃上げに向けた環境整備に全力で取り組み、さらにはその先に構造的賃上げを目指して、労働市場改革を進めます。日本商工会議所の皆様におかれても、御協力をいただけますよう、お願い申し上げます。
こども・子育て政策への対応も待ったなしの課題です。企業や男性、地域社会など、社会全体の意識を変え、少子化トレンドを反転させていきたいと思います。子育て当事者や、それを支える地域、企業の方々の声も伺いながら、今後、こども・子育て政策として充実する内容をパッケージとして具体化していきます。
最後になりますが、日本商工会議所並びに各地の商工会議所の更なる御発展と、本日お集まりの皆様の益々(ますます)の御健勝を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。