アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)閣僚会合における岸田内閣総理大臣ビデオメッセージ

更新日:令和5年3月4日 総理の指示・談話など

 内閣総理大臣の岸田文雄です。
 昨年の1月、私は、日本の技術や制度をいかし、アジアの脱炭素化に貢献していくとの思いの下、「アジアゼロエミッション共同体(AZEC)」構想を提唱しました。
 あれから1年。各国の皆様に、ここ東京にお集まりいただき、構想がいよいよ具体的に動き出さんとしていることに、改めて感謝申し上げます。

 この1年の間に、エネルギー市場の不確実性は一層増しました。歴史上初の世界エネルギー危機とも言われる状況に直面する中で、エネルギーの安定供給と脱炭素化を両立させることは、世界中の大きな政策的課題となっています。

 エネルギーを巡る各国の事情は様々です。日本のように、資源に乏しく、地震や台風などの自然災害のリスクに絶えずさらされるなど、厳しいエネルギー事情を抱える国が、アジアには数多く存在します。
 我々アジアにとって、安定供給のために、できる限り多くのエネルギーの選択肢を持っておく、そのために、現実的なエネルギートランジションを進めていくことは、大変重要です。

 その選択肢の1つが、水素やアンモニアです。今回、我々は、オーストラリアとの間で、初めての水素サプライチェーンを立ち上げる決断をしました。これを皮切りに、今後、アジアの国々と連携し、広域的なサプライチェーンを確立していきたいと考えています。

 アジアの脱炭素化に向けた歩みは、決して容易なものではないかもしれません。しかし、だからこそ、アジアの国々が共同して取り組む必要があると私は確信しています。
 脱炭素化に向け、投資資金を呼び込み、プロジェクトを具体化していく。そして、アジアの実情に応じた現実的なエネルギートランジションを実現する。こうしたチャレンジに、皆様とともに取り組めることを、大変うれしく、心強く思います。

 最後になりますが、本日ここにお集まりの皆様の御活躍、御健勝をお祈りし、私の御挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

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