第10回高校生ビジネスプラン・グランプリ 岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和5年1月8日 総理の指示・談話など

 皆さんこんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。日本政策金融公庫主催の高校生ビジネスプラン・グランプリ最終審査会の開催に当たり、一言、御挨拶申し上げます。
 私は、内閣総理大臣として、日本経済の再生に向けて、新しい資本主義の構築に取り組んでいます。地球温暖化、格差の拡大などの社会的な課題の解決は待ったなしです。こうした課題を解決し、成長と分配の好循環を実現できるよう、資本主義のバージョンアップを果たしていく。そのためには、社会課題を障害物と捉えるのではなく、成長のエンジンへと転換し、持続可能性を確保するとともに、新たな市場を作ることで成長の源泉としていく、という視点が重要です。いわば、持続可能性と成長の二兎(にと)を実現する。それを可能にする最大の鍵がイノベーションであり、スタートアップがその担い手となると考えています。
 私自身、全国各地で、多くのスタートアップの創業者の方々と意見交換を行ってまいりました。そうした機会の度に、経済的な成長だけでなく、社会的課題の解決も目的に起業する方々が、若い方々を中心に増えてきていることを実感し、大変心強く思っています。世の中の仕組みを大きく変えたり、身近な課題を今まで誰も気づかなかった方法で解決したりするイノベーションは、正に皆さんのような次世代を担う若者のエネルギーと柔軟な発想から生まれるものと私は確信しています。
 政府としては、1兆円のスタートアップ育成に向けた予算措置を講じるとともに、スタートアップへの投資額を5年で10倍、10兆円規模に増やすことを視野に、5か年計画を策定しました。あらゆる政策を総動員してスタートアップの育成を支援してまいります。
 このグランプリの主催者である日本政策金融公庫の融資や経営サポートを受けて上場を果たした企業は、ここ30年で約800社、上場企業全体の約3割に上っています。そして、このグランプリに参加した皆さんの先輩も、既に何人かが御自身の力でスタートアップ企業を立ち上げ、中には数十億円規模の資金調達を行い、これまで市場になかった新たなサービスを展開している、世界からも注目される経営者もいます。
 こうしたスタートアップへの支援を充実させることで、若い皆さんを始めとして、様々な方々が自由な発想でいろいろなことにチャレンジし、新しい技術やイノベーションが社会実装される、わくわくするような未来、力強く成長する経済、そして安心して暮らせる社会を皆さんとともに築いていきたいと思います。
 この高校生ビジネスプラン・グランプリは、「創造力、無限大」のキャッチフレーズの下、課題を発見する力、若者が自ら未来を切り拓(ひら)く力を養うことを目的としており、最終審査会に残った皆さんのビジネスプランは、どれも魅力的で、私たち大人や社会をあっと驚かせるようなアイデアが詰まったすばらしいプランだと伺っています。
 皆さんの健闘と白熱した審査会、そして10回目を迎えた高校生ビジネスプラン・グランプリが、今後もますます発展することを祈念して、私からのメッセージとさせていただきます。皆さん、悔いのないよう、精一杯頑張ってください。