第35回東京国際映画祭オープニングセレモニー 岸田総理ビデオメッセージ
内閣総理大臣の岸田文雄です。映画の発展に貢献されてきた皆様の御尽力により、第35回東京国際映画祭が開催されますことを心よりお祝い申し上げます。
新型コロナウイルス感染症は、映画界にも様々な影響を与えました。コロナにより、様々な困難や不安に直面した方々の心に、希望や喜び、感動を取り戻す。映画にはその力があります。今回の映画祭のテーマである「飛躍」にはこうした思いも込められているのではないでしょうか。
政府は、感染対策と社会経済活動の両立に向け、「ウィズコロナの新たな段階への移行」を進めています。人々が、再び、映画を安心して楽しめる。こうした環境を作るため、政府としても、全力を尽くしていきます。
今年の東京国際映画祭のコンペティション部門には、世界107の国・地域から、約1,700本にも及ぶ応募があり、その中から厳選された15本が上映されると聞いています。
また、アジアの若手監督を中心とした映画を取り上げる「アジアの未来」部門は、今年で記念すべき10年目を迎えられたと聞きました。
今年は、濱口竜介(はまぐち りゅうすけ)監督の「ドライブ・マイ・カー」が米国アカデミー賞国際長編映画賞を受賞する、といううれしいニュースもありました。「アジア発、世界へ!未来へ!」という「アジアの未来」部門の合言葉のとおり、アジアの映画界は更なる「飛躍」の時を迎えています。
映画は、その時々の世界情勢を、そして未来への希望を映し出す鏡です。御来場される皆様が、国際色豊かな、粒ぞろいの映画の数々を通じて、世界の、アジアの、そして日本の「今」と「未来」を感じる。
ここ東京で、こうした豊かな経験を楽しんでいただけることを、改めて誇りに思います。
今年の映画祭は、初の会場となる東京宝塚劇場で行うほか、開催エリアとして、新たに丸の内が加わり、上映会場が拡充されます。また、昨年に引き続き、会場となる日比谷・有楽町・銀座エリアでは、野外会場が設置され、街中が映画祭の装飾で彩られると伺っています。
今年の映画祭を経て、東京が、世界中の素晴らしい映画作品と人々をつなぐ場として更に「飛躍」することを期待しています。
最後になりましたが、今年の東京国際映画祭の成功、御来場の皆様が素晴らしい作品に出会われること、そして世界と我が国の映画界のますますの発展を祈念いたしまして、私の御挨拶とさせていただきます。