第3回東京グローバル・ダイアログにおける岸田総理ビデオメッセージ

更新日:令和4年3月2日 総理の指示・談話など

 佐々江理事長、御出席の皆様、世界から高い評価を受ける日本国際問題研究所による、第3回東京グローバル・ダイアログが、今年も、世界各地から、多くの皆様の参加を得て開催されますことを、心より嬉(うれ)しく思います。
 北朝鮮による核・ミサイル開発、東シナ海・南シナ海における一方的な現状変更の試み、軍事バランスの変化による緊張の高まりなどにより、地域の安全保障環境は急速に厳しさを増しています。この地域は、米中競争の最前線です。我々は、ウクライナをめぐる状況についても、国際社会の秩序に関わる問題として、重大な懸念を持って注視しています。
 こうした厳しさと複雑さを増す国際情勢の中で、私は、自由、民主主義、人権、法の支配といった普遍的価値を重視しながら、未来への理想の旗をしっかりと掲げつつ、したたかで、徹底的な現実主義を貫く「新時代リアリズム外交」を展開していく決意です。
 先般のバイデン大統領とのテレビ会談成果を踏まえ、日米同盟の抑止力・対処力の一層の強化を着実に進めていきます。年内には、新たな国家安全保障戦略、防衛大綱、中期防衛力整備計画を策定し、防衛力を抜本的に強化してまいります。
 世界の活力の中核であるインド太平洋地域において、ルールに基づく自由で開かれた秩序の実現が重要です。「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、同盟国・同志国との連携を一層強化していきます。
 その重要な推進力の一つである日米豪印については、私が主催して、本年前半に、日本で首脳会合を開催します。4か国の首脳で、このクアッドの協力を次のステップに押し上げていく機会としたいと思います。
 世界各国が戦略的物資の確保や重要技術の獲得にしのぎを削る中、経済安全保障は、待ったなしの課題であり、21世紀型のグローバル・ルールの中核となるものです。 我が国の安全を守り、世界の成長を取り込む。そうした国際的なルール作りにも、米豪印を始めとする同志国と連携して、積極的に取り組んでまいります。
 さらに、広島出身の総理大臣として、「核兵器のない世界」に向け、世界をリードするのみならず、気候変動、国際保健についても主導的な役割を果たしてまいります。
 皆さんの活発な議論や政策提言を通じ、この会議が、日本の外交・安全保障政策に貢献されることを祈念し、私の挨拶とさせていただきます。御清聴、ありがとうございました。