「建国記念の日」を迎えるに当たっての内閣総理大臣メッセージ
「建国記念の日」は、「建国をしのび、国を愛する心を養う」という趣旨のもとに、国民一人一人が、遠く我が国の成り立ちをしのび、今日に至るまでの先人の努力に思いをはせ、さらなる国の発展を願う国民の祝日です。
我が国は、四季折々の豊かな自然と調和を図りながら、歴史を紡いできました。その中で、先人たちは、家族や仲間との協働や絆を重んじ、諸外国に誇れる日本固有の文化や伝統を育んできました。科学技術・イノベーション、文化芸術をはじめ、多くの分野で世界的に高い評価を受け、また、人類の営みにも大きく貢献してきました。
長い歴史の中で、我が国は、幾度となく、大きな困難や過酷な試練に直面しましたが、その度に、先人たちは、勇気と希望を持って立ち上がり、明治維新や戦後高度経済成長など、幾多の奇跡を実現してきました。そして、自由と民主主義を守り、人権を尊重し、法を貴ぶ国柄を育ててきました。一人一人のたゆまぬ努力と国民の絆の力によって築かれた礎の上に、今日の我が国の発展があります。
新型コロナとの闘いにおいても、私たちは、国民皆で助け合い、一歩一歩前進してきました。人と人のつながりが生み出す優しさや温もりに、日本の底力を感じます。デジタル化が急速に進むなど、新しい時代の種も芽吹き始めています。みんなで協力し、新型コロナに打ち克ち、世界に誇れる日本の未来を切り拓いていきましょう。
先人たちの足跡の重みをかみしめながら、国民の命と暮らしを守り抜き、全ての人が生きがいを感じられる社会を目指す。「建国記念の日」を迎えるに当たり、私は、その決意を新たにしております。
「建国記念の日」が、我が国の歩みを振り返りつつ先人の努力に感謝し、さらなる日本の繁栄を希求する機会となることを切に希望いたします。
令和4年2月11日
内閣総理大臣 岸田 文雄