第9回高校生ビジネスプラン・グランプリにおける岸田総理ビデオメッセージ
皆さんこんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。日本政策金融公庫主催の高校生ビジネスプラン・グランプリ最終審査会の開催に当たり、一言、御挨拶申し上げます。
私は、内閣総理大臣として、日本の経済の再生に向けて、新しい資本主義の構築に取り組んでいます。まずは、経済を成長させる。そして、その成果を一部の人が独占するのではなく、みんなで分け合う。成長の果実をしっかりと分配し、国民一人一人の所得を引き上げていく。そうすることで、そのお金が消費や投資に回り、次の成長につながっていく、成長と分配の好循環の実現を目指しています。
この成長と分配の好循環を生み出すには、イノベーションの創出が何よりも重要です。世の中の仕組みを大きく変えたり、身近な課題を今まで誰も気付かなかった方法で解決したりするイノベーションは、成長の源泉であり、正に皆さんのような次世代を担う若者のエネルギーと柔軟な発想から生まれるものと私は確信しています。
政府としても、創業・起業への支援を積極的に行い、イノベーションの担い手となるスタートアップの創出に全力で取り組んでいます。実際、これまで政府は、多くの創業・起業を支援してきており、このグランプリの主催者である日本政策金融公庫の融資や経営サポートを受けて上場を果たした企業は、ここ30年で約800社、上場企業全体の約3割に上っています。
このグランプリに参加した皆さんの先輩も、既に何人かが御自身の力で企業を立ち上げ、中には数十億円規模の資金調達を行い、これまで市場になかった新たなサービスを展開している、世界からも注目される20代の経営者もいると聞いています。
こうしたスタートアップへの支援を更に充実させることで、若い皆さんを始めとして、様々な方々が自由な発想でいろいろなことにチャレンジし、新しい技術やイノベーションが社会実装される、わくわくするような未来、力強く成長する経済、そして成長の成果がきちんと還元される安心できる日本を皆さんと共に築いていきたいと思います。
この高校生ビジネスプラン・グランプリは、「創造力、無限大」のキャッチフレーズの下、若者が自ら未来を切り拓(ひら)く力を養うことを目的としており、最終審査会に残った皆さんのプランは、若者ならではの自由な発想や創造力をいかした、どれも魅力的なプランで、ビジネスのプロが驚くようなものも多いと伺っています。これは正しく、イノベーションの萌芽(ほうが)です。
若い力が切磋琢磨(せっさたくま)し、競い合う姿は本当に素晴らしい。私も高校時代には野球に熱中し、友人や先生方と共に多くの貴重な時間を過ごしました。皆さんも友人とチームを組んだり、先生方に相談したりしながら、時に悩みつつも、大いにわくわくした気持ちで今回のビジネスプランを作り上げたものと思います。最終審査会では、その力を余すところなくプレゼンテーションにぶつけて下さい。
皆さんの健闘と白熱した審査会、そしてこのグランプリが今後ますます発展することを祈念して、短いながら私からのメッセージとさせていただきます。皆さん、悔いのないよう、精一杯頑張ってください。