障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部
令和6年9月20日、岸田総理は、総理大臣官邸で第2回障害者に対する偏見や差別のない共生社会の実現に向けた対策推進本部を開催しました。
会議では、旧優生保護法訴訟関係の取組の進捗状況等について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「7月17日、私は、旧優生保護法の国家賠償請求訴訟の原告団の方々とお会いし、筆舌に尽くし難い苦難と苦痛に満ちた経験をお伺いするとともに、政府を代表して、心から謝罪を申し上げました。
その場でお約束したことについて、私の責任において最大限取組を進めるべく努めてまいりましたが、本日、その進捗を確認することができました。
まず、係属訴訟については、その終結のための和解合意書が9月13日に締結され、早期解決の道筋がつきました。
新たな補償の仕組みについては、超党派の議員連盟において、一昨日(18日)、補償金等の支給に関する法律案の骨子素案が取りまとめられ、旧優生保護法に基づく優生手術等に関する調査及び検証の在り方についても盛り込まれています。政府と連携して精力的な御議論を頂いた結果と受け止めており、この新たな補償の仕組みが被害者の方々に一刻も早く届くよう、議員立法の早期提出・早期成立に向けた努力を継続していくことが重要です。
障害者の偏見差別の根絶に向けた恒久的対策については、全大臣を構成員とする当本部を7月29日に立ち上げ、全府省庁による体制を構築したところであり、幹事会も既に2回開催されました。
原告団との継続的な協議の場については、今後の基本合意書の締結により設置する予定ですが、加藤大臣においては、原告団・当事者の方々と協議を速やかに進め、基本合意書をできるだけ早期に締結できるよう、取り組んでください。
当本部については、第1回にお示しした基本方針に沿って取組の進捗の報告がありました。
憲法違反とされた旧優生保護法に基づく施策が、約半世紀もの長きにわたって合憲とされ、数多くの障害者の個人の尊厳を蹂躙(じゅうりん)し、苦難と苦痛を強いてきた重い事実とその教訓を踏まえ、障害者に対する偏見差別、優生思想の根絶に向けて、取組を強化していく必要があります。
引き続き、有識者の協力を得て、障害当事者の方々から御意見を伺いつつ、新たな行動計画の取りまとめに向け、政府一丸となって議論を深めていただきますよう、御協力をお願いいたします。」