大阪・関西万博に関する関係者会合
令和6年9月10日、岸田総理は、総理大臣官邸で大阪・関西万博に関する関係者会合を開催しました。
会合では開催に向けた準備状況の報告等が行われました。
総理は、本日の会合を踏まえて次のように述べました。
「昨年の8月31日、正にこの部屋、この場所に皆様方にお集まりいただきました。その際に、私の方からは万博の準備が極めて厳しい状況に置かれている、このことを改めて直視し、正面から全力で取り組んでいかなければならないと申し上げました。そして、私自身、政府の先頭に立ちたいということも申し上げさせていただきました。
それから約1年たつわけでありますが、本日、建設状況の写真等も紹介されましたが、会場の建設は前進しています。参加国からも、各国のパビリオンについて、それぞれの国の誇りを持って、前向きな発信がなされるようになりました。
イベントのカレンダーも公表されました。日本全国のお祭りが大阪に集まってきます。こども万博や世界こども未来会議など、子供たちが参加し、世界各国の人々と対面で交わる機会も多数予定されているなど、準備が進んできています。
ただ、一方、まだ課題も残されています。
まず、万博への機運醸成です。まだ『万博に行きたい』という声が小さいというのが実情です。日本を代表する企業によるパビリオンも含め、万博の魅力あるコンテンツがどんどん発表されつつあり、こうした情報を関係者で連携して広く届けていきたいと思います。大阪府・大阪市では、チケット販売のサポート窓口も設置していただくことになっており、協会にとどまらず、関係省庁・府市挙げて来場者増に向けた取組、強化していただきたいと思います。
訪日外国人旅行者が過去最高を記録しています。インバウンド需要を万博にしっかりと取り込み、また、万博を契機として、日本全国に足を運んでもらう、こうした取組を進めてください。さらに、万博の機会を最大限活用したビジネスマッチングについても、その成果は、必ず万博のレガシーとなっていきます。自見大臣、齋藤経産大臣を中心に、積極的な取組をお願いいたします。
また、IR(統合型リゾート)事業が万博に支障を及ぼさないための対応について、経産大臣も加わって府・市、事業者が調整を行った結果について、先ほど吉村知事から御報告を頂きました。ケルケンツェス事務局長からも評価を頂きましたが、しっかりと遺漏なきよう、関係者におかれては、緊密な連携の下、対応していただきますようお願い申し上げます。
次に、安全・円滑な会場運営と来場者運送です。
何よりも、来場者及びそこで働く方たちの安全を確保することが最重要です。暑さ対策、メタンガスへの対策、子供目線での安全対策など、既存の計画に捕らわれることなく、関係者一体となって、来場者等の安全確保のための必要な対策を実施してください。会場のみならず、来場者の移送についても、駅での雑踏対策なども含めて、府・市が中心となって、地元自治体と連携しながら取り組んでください。
万が一、大規模災害が発生した場合の備えに、万全を期すことも重要です。協会任せにせず、国、地元自治体などの関係行政機関が連携して取り組んでください。
こうした対応を実現していくために、博覧会協会の体制は、会期中を見据え、官民挙げて更に強化していきます。政府としても、既に整理されている対応は着実に実施するとともに、必要な措置を機動的に行っていくことが必要です。
大阪・関西万博は、実質的にコロナ後で初めてとなる万博として、ともすれば内向きとなりがちな時代に、世界と交流を深め、日本の魅力を世界に向けて発信する絶好の機会です。子供たちから大人まで、日本だけでなく、世界各国から多くの方に来場いただき、楽しみ、そしてそれぞれの将来に夢と希望を持ってもらう、そんな万博にしていきたいと思っています。
この想いは、今後の内閣においても引き継ぎ、政府一丸となって取り組んでまいります。開催まであと200日余り、国、府・市、協会、経済界が心を合わせてしっかりと取り組んでいきたいと思います。皆様方におかれましては、引き続き、是非、それぞれの立場で御尽力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。本日も会議への御協力、誠にありがとうございました。」