政府与党連絡会議
令和6年8月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「14日の記者会見において、『来る自民党総裁選では国民の前に自民党が変わる姿をしっかり示す必要がある。そのために最もわかりやすい最初の一歩は、私が身を引くこと。総裁選には出馬しない。』このように申し上げました。
これまで、皆様方には並々ならぬ御尽力を頂いてきました。改めて感謝申し上げます。
本当に厳しい内外の難局に直面する中にあって、経済・外交などの各分野において、皆様の御協力により具体的な成果を着実に積み上げてまいりました。
30年続いたデフレ経済に終止符を打つ、そのために、新しい資本主義の下、賃上げと投資促進を官民連携で復活させる。AI(人工知能)時代における電力需要の大幅増加やGX(グリーン・トランスフォーメーション)に対応するために、カーボンプライシング、GX経済移行債の導入、原発再稼働、新型革新炉など、エネルギー政策を転換する。待ったなしの少子化に対応するために、3.6兆円の大規模な少子化対策を実行する。国際社会の複雑化・困難化に対応して、5年間で43兆円、防衛力を抜本的に強化する。強固な日米関係を基礎に、G7広島サミットの開催などを通じて国際的な議論をリードするとともに、日韓関係の改善やグローバルサウスとの関係強化など、外交を多角的に展開するなど取り組んでまいりました。
国会閉会後にも様々な政策を進めてまいりました。名目GDP(国内総生産)が年率607.9兆円となり、安倍政権時代の2015年に掲げた目標を9年越しに達成いたしました。6月の実質賃金のプラス転換、また、最低賃金も過去最大の引上げ幅の実現。3か月間の『酷暑乗り切り緊急支援』の開始。旧優生保護法訴訟の原告団の方々と面会し、直接の謝罪や除斥期間の主張の撤回をいたしました。佐渡島(さど)の金山の世界遺産への登録。NATO(北大西洋条約機構)サミットへの出席やPALM10(第10回太平洋・島サミット)の開催。
このように、直近においても様々な成果が挙がっています。
他方で、派閥の政治資金パーティーをめぐる政治とカネの問題については、国民の皆様に政治に対する不信を招き、公明党の皆様には大変な御迷惑をおかけいたしましたが、党改革、事案の解明、厳正な処分、政治資金規正法の改正などに取り組むことが、総理・総裁としての私の責任であるという思いで臨んでまいりました。
しかしながら、信頼を回復するための政治改革に終わりはありません。当面、改正政治資金規正法の附則で今後の検討事項とされた第三者機関の在り方などの検討を含め、政治改革、国民の信頼回復のための取組を、引き続き、進めていかなければなりません。新総裁の大きな方針と新たなリーダーシップの下、私も一兵卒として力を尽くしてまいります。
以上、3年間の取組を振り返らせていただきました。道半ばの課題もありますが、皆様の御協力によって、大きな成果を挙げることができたこと、改めて感謝申し上げます。
そして、残された任期にも、総理・総裁として取組を進めてまいります。具体的には、9月3日には、燃料油激変緩和措置や、先ほど申し上げました『酷暑乗り切り緊急支援』のための物価高騰対策・賃上げ促進予備費を、そして9月上旬をめどに、能登半島地震の復旧・復興に向けて、発災から第6弾となる予備費を、それぞれ使用決定するべく、調整を進めております。
続発する台風への対応に万全を期すとともに、その状況を見つつ、能登半島地震からの復旧・復興の現場を訪れ、進展を確認してまいります。
さらに、シャトル外交強化の一環として、韓国訪問について日韓間で協議しているほか、9月下旬の国連総会関連日程にも、諸般の事情が許せば、出席したいと考えております。
総理・総裁として、最後の一日まで政策実行に一意専心、当たってまいります。与党の皆様におかれましては、御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。」