食料安定供給・農林水産業基盤強化本部
令和6年8月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で第8回食料安定供給・農林水産業基盤強化本部を開催しました。
会議では、食料・農業・農村基本法改正等を受けた新たな政策の展開方向等について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「国内外の情勢変化を踏まえ、農政の憲法たる『食料・農業・農村基本法』の抜本改正を行いました。これを受けて、初動5年間を農業構造転換集中対策期間として集中的に取組を進め、林業・漁業を含めて、農林水産・食品分野の政策の再構築を進めてまいります。
まず、本年度中に策定する新たな基本計画において、輸入依存度の高い麦・大豆の増産と、水田政策を見直す取組、非日系需要も含む海外需要の新規開拓と、輸出向けの国際競争力ある産地の育成を推進し、輸出の抜本拡大を図る取組、グリーン化に向けた新たな環境直接支払交付金の創設の取組、国民一人一人の食品アクセスを確保する取組、これらの取組について重点的に議論を行った上で、効果的な政策を基本計画に盛り込んでください。
その上で、初年度となる来年度予算において、『スマート農業技術活用促進集中支援プログラム』、地域農業における共同利用施設の新設・再編等の施策を効果的に進めていく『地域計画実現総合対策』、漁獲対象魚種の複合化支援の強化と、海や漁村の地域資源の魅力を活用していく『海業振興支援事業』、これらの所得向上につながる新たな取組について、具体的な事業内容の調整を重点的に進めてください。
あわせて、合理的な価格形成、人口減少下での農業用インフラの保全管理、林業経営体の育成と森林の集積・集約化、複合的な漁業の推進に向けた4本の法整備について、国会提出に向けた作業を加速してください。
また、現下の最重要課題である物価高対策に関連し、既に様々な食品が値上がりをしている中、食品アクセスの確保は、喫緊の課題です。
坂本農林水産大臣においては、消費者の立場に立って、米の流通不足の懸念に対処し、引き続き、市場を注視し、円滑な流通に取り組んでください。
さらに、こども食堂やフードバンクへの政府備蓄米の無償交付について、来月初頭から、現在は全国10か所の申請窓口を全都道府県域に設置するとともに、通年での申請を可能とし、切れ目なく備蓄米を提供できる体制を来月からスタートしてください。
自見大臣においては、坂本農林水産大臣と連携し、フードバンクを通じた支援が一層進むよう、食品寄附に関するガイドラインを本年度中に策定し、食料アクセスの抜本的な改善を図ってください。」