金融経済教育推進機構(J-FLEC)立上げ式

更新日:令和6年8月2日 総理の一日

 令和6年8月2日、岸田総理は、都内で開催された金融経済教育推進機構(J-FLEC)立上げ式に出席しました。

 総理は、J-FLECについての概要説明を受け、個別相談室を視察し、J-FLEC職員への訓示を行ったあと、金融経済教育に関する関係機関会合に出席しました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「まず、金融界各団体の皆様方には、J-FLEC設立の趣旨であります、金融経済教育の推進に御賛同いただき、そしてこの活動に御支援いただきますこと、心から感謝を申し上げます。
 また、今日は、以前車座対話に参加していただいた皆さんにも、今日の会合に御参加いただきました。御協力に重ねて御礼申し上げます。ありがとうございます。
 今、30年ぶりのデフレ経済から、新しい成長型経済への移行の兆しが明確になってきていると感じています。企業収益は過去最高水準となりました。また、春闘における賃上げ、33年ぶりの高水準となりました。新NISA(少額投資非課税制度)を始めとする資産運用立国の取組によって、家計の資金が成長投資に向かい、企業価値向上の恩恵が家計に還元される、そして更なる投資、あるいは消費につながる。こうした成長と分配の好循環を実現していく取組を進めているところです。このために、お話の中にも出ておりましたが、金融経済教育の充実が不可欠だと考えています。1月の新NISA開始後、半年で近年の年間買い付け額、5兆円を大幅に上回る10兆円規模となる、こうした見込みが示されています。4月に行った、今日駆けつけてくれた若い皆さんにも参加してもらった『NISA金融経済教育に関する車座対話』においても、安心してアドバイスを受けられる機会が必要である、こういった意見を頂いたわけです。
 本日、J-FLECは電話相談の受付を開始したということで、私もその受付の現場、先ほど視察をさせていただきました。今後更に、顧客の立場に立ったアドバイザーの普及に向けて、認定アドバイザー制度を適切に運営し、金融機関の皆様と共に、多様なサービスを順次提供していくことが重要だと考えています。
 そして、この秋には、認定アドバイザーに相談する際の相談料を、最大8割引きとするクーポン券の配布を是非実施していただきたいと考えています。
 あわせて、昨年11月に、『金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律』を改正いたしました。最終的な顧客の最善の利益を勘案しつつ、誠実かつ公正に業務を遂行すべきである旨の義務を規定したわけですが、金融機関の皆様におかれましては、顧客本位の業務運営、引き続き努めていただきたいと思っています。
 また、今、投資詐欺の増加も懸念されています。実際にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)型投資詐欺は、本年1月から6月までの被害額、前年同期比で約7倍、500億円となっています。安心して投資を行うことができる環境を整備すること、これは政府にとって重要な責務であり、金融トラブルへの対応として、金融庁の相談窓口や、J-FLECの電話相談体制の強化を行ってまいりたいと考えています。
 今後、J-FLECを中心として、官民一体となって、幅広い世代に対して、適切な金融経済教育を提供していくことが重要であると考えております。そして今日、森田会長からも御提案いただきました、今回を第1回として、金融経済教育に関するハイレベル会合を定期的に開催していきたいと考えています。オールジャパンで金融経済教育の推進に取り組んでまいりたいと思います。引き続きましての御協力を心からお願い申し上げます。本日は、誠にありがとうございました。」

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