北方少年少女による表敬

　令和６年７月３０日、岸田総理は、総理大臣官邸で北方少年少女（北方領土元居住者の４世等の中学生）による表敬を受けました。

　７人の少年少女が、それぞれ北方領土への思いを語った後、総理は、次のように述べました。

「まず、皆さん今日はよく来てもらいました。そして、今、皆さんから直接、ひいおじいさんですとか、ひいおばあさんですとか、元島民の皆さんの想いを引き継ぐ、それぞれの皆さんの考えや想いを聞かせていただきました。
　もうすぐ来年で戦後８０年になるわけですが、そういった月日が経っているにもかかわらず、日本とロシアの間においては平和条約が結ばれていない、こういった状況にあります。
　そして、お話の中にもあったように、今、ロシアのウクライナ侵略をめぐって、日本とロシアの間の関係、大変厳しい状況にあります。ただ、四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結する。こうした日本の政府の考え方。これは全く変わってはおりません。そして、その中にあって、北方四島交流等事業の再開、これは今後の日本とロシアとの関係においても、最優先の最も大事な事項の一つです。引き続き、特に墓参りである北方墓参の取組に重点を置いて、ロシア側に事業の再開、これをしっかり働きかけていきたいと思っています。
　北方領土問題、これはいうまでもなく、国民全体の問題です。この問題の解決に向けては、政府と国民の皆さんが一体となって取り組まなければならない。そして、その中で、先ほどの阿部さんの発言の中にもありましたように、多くの皆さんに、このことを知ってもらう、このことが大事だと思います。
　政府としても、引き続き、国民の皆さんにできるだけ、この問題について知ってもらう、啓発事業にしっかり取り組んでいきたいと思いますが、日本の将来を担う、皆さんのような若い世代の皆さんに是非、積極的に発信をし続けていただく、これがより多くの国民の皆さんに知ってもらう、そして未来に向けて多くの人たちに知ってもらうために大変重要ではないかと思います。是非、皆さんの若い世代の感覚を大事にしてもらいながら、例えば発信の仕方もＳＮＳを始め、いろいろな新しいツールも出てきています。こういった若い感覚も大事にしながら、この情報発信にこれからも取り組んでもらえればと心から期待をしています。
　今日、本当に暑い中、こうして皆さんそろって官邸に来てもらったこと、本当にうれしく思いますし、皆さんが北方領土問題で、こうして熱心に取り組んでいるという姿、本当に頼もしく、心強く思います。
　是非、これからも元気に活躍してもらいたいと思いますし、皆さん一人一人、これからすばらしい未来をつかみとっていくことと思います。どんな分野で活躍するにしても、こうした北方領土問題のような問題が、私たちの国、国民全体にはあるんだということを忘れずに、それぞれの立場でこの問題について考えてくれる、こういったことになればと心から願っています。改めて皆さんの努力に感謝しながら御挨拶とさせていただきます。今日はよく来てもらいました。ありがとうございました。」