我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議
令和6年7月25日、岸田総理は、総理大臣官邸で第5回我が国の物流の革新に関する関係閣僚会議を開催しました。
会議では、「物流革新に向けた政策パッケージ」の進捗状況と今後の対応について議論されました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「物流をめぐる『2024年問題』を乗り越え、官民連携で物流革新を実現していくため、物流の効率化、商慣行の見直し、荷主・消費者の行動変容を3本柱として、多岐にわたる対策を計画的に講じていかなければなりません。
第1に、物流の効率化に向けて、6月に官民協議会で決定した『標準仕様パレット』について、政府を挙げて普及を図ってください。その上で、自動フォークリフト、自動倉庫など、即効性のある設備投資と鉄道・海運へのモーダルシフトを重点的に支援してください。
さらに、2030年代半ばまでに無人物流網を実装することを目指し、自動運航船の商用運航に必要な国際法・国内法の整備、全国の一級河川と送電網の上空を活用したドローン航路網の設定、全国高速道路網における自動運転サービス支援の標準化、東京-大阪間で構想する自動物流道路における、2027年度までの実験実施と、2030年代半ばまでの第1期区間での運用開始、こうした革新的取組に、官民連携で、体系的に取り組んでまいります。
また、航空物流についても、日本のハブであり、国内最大の貿易港である成田空港について、第3滑走路による機能強化や圏央道整備を見据え、地元自治体と連携し、特区の活用を含め、国家プロジェクトとして機能強化の取組を加速してください。
第2に、賃上げを含む商慣行の見直しに向けて、先般成立した改正物流効率化法(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律の一部を改正する法律)を原則来年4月に施行することとし、実効性のある判断基準の設定など、次の春闘に間に合うよう、準備を加速してください。あわせて、構造的賃上げに向け、11月から12月を集中監視期間とし、トラックGメンの機能強化を行ってください。
第3に、荷主・消費者の行動変容に向けて、主要Eコマース事業者と運送事業者の参画を得て、コンビニ受取、置き配等を選択した消費者にポイントを還元する事業を、10月から実施いたします。あわせて、送料無料表示の実効性のある見直しを行い、これを改正物流効率化法に基づく基本方針に盛り込んでください。
物流は、国民生活や経済を支える重要な社会インフラです。今後の人口減少社会を見据えると、物流機能維持には、既存の物流インフラを活用しつつ、物流の常識を根本から革新していく取組が不可欠です。国土交通大臣を中心に政府一丸となって対処し、来年度予算及び秋に予定する経済対策を含め、長期ビジョンに立った対策を迅速に講じてください。」