全国信用金庫大会
令和6年6月21日、岸田総理は、都内で開催された全国信用金庫大会に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「大変遅れてまいりまして、御無礼をいたしました。御紹介いただきました、内閣総理大臣の岸田文雄でございます。本年も本大会が盛大に開催されますことを心よりお慶(よろこ)び申し上げますとともに、一言御挨拶申し上げます。
まず、本日全国信用金庫協会の新会長に神奈川信用金庫の平松理事長が就任されたとお伺いしてまいりました。誠におめでとうございます。そして、御室前会長におかれましては、業界の発展のために多大なる御尽力を尽くされましたこと、心から敬意を表し申し上げる次第でございます。
今年1月、発生いたしました令和6年能登半島地震から約半年がたちます。皆様方にはきめ細かな対応をいただいております。特に被災地においては、役職員の皆様も被災されている、この困難も多い中、地域のため様々な御尽力をいただいておりますこと、心から感謝を申し上げる次第です。被災地の信用金庫が営業に必要となる物資調達に苦しむ中、全国の信用金庫から、簡易トイレを始めとする支援が届けられたというお話を伺い、こうした正に地域を支える姿、仲間同士が助け合う姿、皆様方の基本理念である相互扶助の精神そのものであると感じております。信用金庫の皆様方におかれましては、地域において最も身近で、そして安心して頼れるパートナーとして、引き続き様々な課題解決に取り組んでいただき、地域、そして日本の経済の発展に一層御貢献いただきますよう御期待を申し上げる次第でございます。
私は就任以来、地域活性化や人口減少、また環境問題など直面する社会課題を成長のエンジンへ転換する、こうした新しい資本主義という経済モデルの下、政策を進めてまいりました。賃上げ、投資、株価など大きく上向き、日本経済は、30年ぶりに新しい経済ステージへの変革の時を迎えていると感じています。そして、こうした経済の好循環を持続的なものにしていかなければなりません。そのためにも、資産運用立国を強力に推進していくことが重要であると考えております。日本企業の中長期的な価値の向上に向けたコーポレートガバナンス改革ですとか、金融資産の運用を担う、資産運用業とアセットオーナーシップの改革を包括的に進めております。その際、地域の経済に根付く皆様方の御協力も得て、地域の産業、そして企業の発展にも資する形で金融市場改革を推進してまいります。
そして、社会課題に果敢に挑むスタートアップという存在、これは新しい資本主義の重要な担い手です。日本でのスタートアップの投資、足下でも、10年間で10倍に伸びているところですが、これを今後5年間で更に10倍にしていく取組を今進めています。皆様方におかれましては、創業支援を通じて地域におけるスタートアップの育成のサポートを心からお願い申し上げる次第でございます。
全国の信用金庫の10万人の役職員の皆様、お一人お一人が900万人の会員の皆さんに寄り添い、地域を支えていただいております。物価高や人手不足の影響などがある中にあっても、資金繰りのほか、先を見据えた経営改善、また事業再生の支援、こうした取り組みに一層力を入れていただければとお願いを申し上げる次第でございます。
結びになりますが、皆様方のそれぞれの一層の御活躍、御発展を御祈念申し上げますとともに、引き続き皆様方のお力添えを心からお願い申し上げまして、本日のこの大会に当たりましてのお祝いの御挨拶とさせていただきます。誠におめでとうございました。
」