デジタル行財政改革会議
令和6年6月18日、岸田総理は、総理大臣官邸で第7回デジタル行財政改革会議を開催しました。
会議では、デジタル行財政改革取りまとめ2024(案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日、『デジタル行財政改革取りまとめ2024』、『国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針』、そして、『デジタルライフライン全国総合整備計画』、この3文書を決定しました。これに基づき、次の3本柱で、デジタルによる社会変革を進めてまいります。
第1に、デジタル活用を阻害する規制・制度の徹底した見直しを進めてまいります。
交通分野では、ライドシェアに加え、自動運転に関し、2025年度には全都道府県での一般道における通年運行の実施等を目指すとともに、自動運転車に係る事故調査の体制整備を進めます。
医療・介護分野では、協働化、大規模化等による介護経営の改善に取り組むとともに、電子処方箋の導入促進、リフィル処方の普及等を実行します。
子育て分野では、出生届のオンライン化や電子版母子健康手帳の原則化等のプッシュ型子育て支援を実現するとともに、保育DX(デジタル・トランスフォーメーション)による現場の負担軽減を図ってまいります。
教育分野では、次世代校務DXを徹底するとともに、デジタル教材の活用を促進していきます。
スタートアップ支援に関しては、公共調達への参入機会の拡大を図るとともに、手数料半減を含めた定款認証の見直し、公証人への民間人材登用促進とガバナンス強化を進めます。
このほか防災、観光、福祉相談分野を含め、関係大臣において、本日の取りまとめに基づき、社会変革を加速してください。
第2に、国・地方デジタル共通基盤の整備・運用への取組を本格化します。
本日取りまとめた基本方針に基づき、河野大臣・松本大臣を中心に、デジタル公共インフラと共通システムの整備・利活用を推進する『ヨコの改革』と、各省庁による所管分野のBPR(業務改革)とデジタル原則を徹底する『タテの改革』を、同時に進めてまいります。これにより、国・地方を通じたトータルコストの最小化を実現してください。
この一環として、まずは各省庁の1,323のシステム経費の見える化を進めてください。あわせて、当面、デジタル庁の体制について、1,500人規模を目安として、体制整備を進めてください。
そして、今後5年間で、行政DXにより公務員の数を増やさずに行政サービスを持続できる環境を作っていくことを、今後の国の定員管理の方針といたします。
第3に、デジタルを活用しつつEBPM(証拠に基づく政策立案)を強力に推進します。5,434の全行政事業について、行政事業レビューシートシステムによる見える化を充実・強化するとともに、リフィル処方、電子処方箋を含め、重点DXプロジェクトのKPI(重要業績評価指標)の設定と進捗モニタリング・改善に取り組んでください。
これまでの取組により、デジタル行財政改革のフレームが整い、各公共サービスでデジタル化の成果が現れつつあります。政府・自治体一丸となって、有識者の御意見を踏まえつつ、全国各地で国民が実感できるよう、デジタルによる社会変革を本格化していきます。本日は、誠にありがとうございました。」