伝統的工芸品産業の振興に関する法律制定50周年記念式典

更新日:令和6年5月28日 総理の一日

 令和6年5月28日、岸田総理は、都内で開催された伝統的工芸品産業の振興に関する法律制定50周年記念式典に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「皆さん、こんにちは。内閣総理大臣の岸田文雄です。
 伝統的工芸品産業の振興に関する法律、いわゆる伝産法は、今年で50年の節目を迎えました。長年にわたり、伝統的工芸品産業の振興に御尽力をされてこられました関係者の皆様方に、改めて敬意を表し申し上げます。
 高度経済成長後、我が国においては、国民の間に地域で大切に受け継がれている伝統への意識が高まり、伝統的工芸品を見直す動きを背景に伝産法が制定されました。以来、国として伝統的工芸品産業を地域の経済と、そして雇用を支える重要な産業として位置付け、今日まで政府一体で振興に取り組んできたところです。
 私も昨年、伝統工芸青山スクエアにおいて、江戸指物や山中漆器、東京銀器の職人の方々の実演を拝見いたしました。精緻な技術、さらにはデザインの美しさ、感銘を受けました。伝統工芸品というもの、国民生活に豊かさと、そして潤いを与えてくれるものである、これを実感した次第です。
 また、能登半島地震では、輪島塗を始めとする伝統的工芸品の産地が大きな被害を受けました。改めて亡くなられた全ての方々の御冥福をお祈りし、被災された全ての皆様方にお見舞いを申し上げます。
 被災地では、輪島塗の職人の皆様から直接、自分たちの代でこれを終わらせたくない、次世代につなぐために必ず復興させる、こうした強い思いを直接伺いました。
 先月、私はアメリカを訪問いたしましたが、その際に、私からバイデン大統領夫妻に、輪島塗のコーヒーカップとボールペン、高岡銅器のアクセサリー、これを贈呈し大変喜ばれました。伝統工芸品というもの、実際に手を取っていただくと、一層その素晴らしさを実感できる、こうしたことを感じた次第です。
 来年の大阪・関西万博においても、伝統工芸品を、それらが育まれてきた日本文化と一体的にPRするとともに、現代の生活や海外のニーズにもマッチした新たな価値や魅力、これを発信していきたいと思います。伝統的工芸品産業振興協会、そして伝統工芸士会の皆様、是非、次の50年に向けて共に歩んでまいりたいと思います。
 結びに、伝統的工芸品産業の更なる発展、そして今日、御列席の皆様方の御健勝、そして御活躍を心から祈念申し上げまして、この50年の節目に当たりましてのお祝いの御挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。」

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