全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会

更新日:令和6年5月11日 総理の一日

 令和6年5月11日、岸田総理は、都内で全拉致被害者の即時一括帰国を求める国民大集会に出席しました。

 総理は、挨拶で次のように述べました。

「内閣総理大臣の岸田文雄です。国民大集会の開催に当たりまして、一言御挨拶を申し上げます。
 本日も、御家族の皆様方から切実な思い、痛切な声、聞かせていただきました。また、今年3月、家族会・救う会の皆様から、新たな運動方針を直接受け取らせていただき、その込められた思いを伺いました。2002年以来、一人の拉致被害者の御帰国も実現していないことは、痛恨の極みであり、政府として改めて重く受け止めております。
 北朝鮮については、日朝平壌宣言に基づき、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を清算して、日朝国交正常化の実現を目指します。とりわけ、拉致被害者御家族も御高齢となる中で、時間的制約のある拉致問題は、ひとときもゆるがせにできない人道問題であり、日本国内では、御家族はもとより国民の間に差し迫った思いが強まっています。
 こうした差し迫った思いをしっかりと共有しながら、全ての拉致被害者の一日も早い御帰国を実現するべく、全力で果断に取り組んでまいります。
 また、北朝鮮による核、ミサイル開発は、我が国の安全保障にとって重大かつ差し迫った脅威であるとともに、国際社会の平和と安全を脅かすものです。我が国としては、米国や韓国を始めとする国際社会との間で引き続き緊密に連携して対応してまいります。
 先月の私の訪米では、バイデン大統領との間で、我が国の基本的な考え方を説明することを含め、北朝鮮への対応について率直な意見交換を行いました。その上で、拉致問題についても、バイデン大統領から、即時解決に向け、改めて力強い支持を得ることができました。
 また、家族会、救う会、拉致議連の皆様とは、昨日も官邸でお会いし、皆様のお考えについて、米国政府、議会関係者等から共感・理解を得られたと伺いました。また、米国訪問の成果を踏まえた要望書を受け取らせていただきました。
 皆様の思いをしっかりと受け止め、米国を始めとする国際社会との連携に取り組んでまいります。
 こうした国際社会への働きかけと同時に、我が国が主体的に行動することが求められます。
 日朝間の実りある関係を樹立することは、日朝双方の利益に合致するとともに、地域の平和と安定に大きく寄与いたします。しかしながら、現在の状況が長引けば長引くほど、日朝が新しい関係を築こうとしても、その実現は困難なものになってしまいかねません。一瞬たりとも無駄にせず、今こそ大胆に現状を変えていかなければなりません。
 我が国自身が主体的に動き、これまで日朝間に長年にわたり存在してきた相互不信の殻を破る必要があります。諸懸案の解決という、決して容易ではない課題に取り組むためには、トップ同士が腹を割って率直に話し合えるような関係をまず構築していくことが、極めて重要であると考えております。
 私自身、条件を付けずにいつでも金正恩(キム・ジョンウン)委員長と直接向き合う決意であると申し上げているゆえんでありますし、全力で行動をしてまいります。
 両者が共に新しい時代を切り拓(ひら)いていくという観点からの私の決意を、あらゆる機会を逃さず金正恩委員長に伝えてまいります。首脳会談を実現するべく、私直轄のハイレベルで協議を進めていきたいと申し上げており、そのために様々なルートを通じて様々な働きかけを絶えず行い続けていますが、早期実現に向け、働きかけを一層強めてまいります。
 お互いが大局観に基づき、あらゆる障害を乗り越え、地域や国際社会の平和と安定、日朝双方のため、共に決断していくことを呼び掛けたいと思っております。
 本日、この集会を通じて、日本国民の一致団結した強い思いが示されることは、拉致問題の解決に向けた力強い後押しとなります。その声こそが、国際社会を動かし、北朝鮮を動かすことに繋(つな)がっていくと信じております。
 こうした多くの皆様方の力強い後押しに心から感謝申し上げますとともに、総理大臣として自らが先頭に立ち、何としても私自身の手で拉致問題を解決するという強い決意の下、全力で取り組んでまいります。このことを、本日の国民大集会に当たって、今一度お誓い申し上げ、私の御挨拶とさせていただきます。」

関連リンク

これまでの総理の一日