経済財政諮問会議
令和6年4月2日、岸田総理は、総理大臣官邸で令和6年第3回経済財政諮問会議を開催しました。
会議では、マクロ経済運営及び経済・財政一体改革の点検・検証と中長期政策の方向性について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、足元の春季労使交渉の状況などを踏まえたマクロ経済運営及び中長期の重点課題について議論を行いました。
連合の第2回の集計結果では、昨年の同時期の賃上げ率3.76パーセントに対して5.25パーセント、中小企業についても、これまでのところ、昨年の同時期の3.39パーセントに対して4.50パーセントと、昨年を大きく上回る力強い賃上げの流れが出来てきています。また、過去最大規模の100兆円の投資、4四半期連続の企業収益の増加など、就任以来、重点的に取り組んできた賃上げ、投資、企業の稼ぐ力に前向きな動きが見られます。
先週の会見でもお約束したとおり、まずは、今年、物価上昇を上回る所得を必ず実現する、そして、来年以降に、物価上昇を上回る賃金を必ず定着させるため、こうした前向きな動きを、中小企業を含めて、更に拡大してまいります。
また、少子高齢化・人口減少の下でも、中長期的に持続可能な経済・財政・社会保障を構築するため、実質1パーセントを上回る経済成長により力強い経済を実現するとともに、これまでと同様に医療・介護給付費対GDP(国内総生産)比の上昇基調に対する改革に取り組み、財政健全化を着実に進めることが重要です。
人口減少が本格化する2030年までに、こうした持続可能な経済社会を軌道に乗せるべく、今後3年程度で必要な制度改革を含め、集中的な取組を講じていくことが重要となります。
成長力の強化に向けて、足元の人手不足に対し、DX(デジタルトランスフォーメーション)・AI(人工知能)・省力化投資等を進めるとともに、中長期的に、非正規雇用の方々の正規雇用への転換、リスキリング、研究開発投資等を通じて生産性の向上を図っていくことが重要です。また、今後深刻化する人口減少に対応するため、年齢に関わらず能力・意欲に応じて生涯活躍できる社会の構築、希望出生率の実現による出生率の向上等に取り組んでいく必要があります。
今後の財政運営に当たっては、経済・物価動向等に配慮しながら、歳出改革を継続していく必要があります。その際、新技術の社会実装、DX・データ駆動型社会の実現、EBPM(証拠に基づく政策立案)の徹底によるワイズスペンディングを進めていくことが重要であり、本日の議論も踏まえ、経済財政諮問会議も活用した実効性のあるEBPMプロセスの構築を進めてまいります。
新藤大臣におかれては、こうした点を踏まえながら、骨太方針に向けて、中期的な経済・財政の枠組みの検討を進めてください。」