政労使の意見交換
令和6年3月13日、岸田総理は、総理大臣官邸で政労使の意見交換に出席しました。
会議では、2024年春季労使交渉の集中回答の機会をとらえ、今後の中小企業や小規模企業の賃金交渉に向けて、労使の方々との意見交換が行われました。
総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、春季労使交渉の集中回答日であり、経団連会長から、多くの大手企業で、昨年を大きく上回る水準の回答が出たとの御報告がありました。昨年を上回る力強い賃上げの流れができていることを心強く思います。
30年続いたコストカット型経済からいよいよ次のステージに移行していくために、良い動きを確認できたと思います。
その上で、中小企業関係団体などの皆さんからは、賃上げを予定している中小企業は昨年より増えているが、大企業における高い賃上げの動きが中小企業・小規模企業に広がっていくためには、労務費の価格転嫁が鍵となるとの発言がありました。正に、中小・小規模企業における十分な賃上げによって裾野の広い賃上げが実現していくことが大切です。
政府としては、このような賃上げの流れを継続できるよう、あらゆる手を尽くしてまいります。
まず、下請法違反行為については、勧告を含め、厳正に対処していきます。また、公取委員長から報告がありましたが、労務費指針の周知・徹底状況の把握に向けたフォローアップのための特別調査を実施するとともに、取組が不十分な事業者について独占禁止法に基づき事業者名を今月中に公表することをお願いいたします。
加えて、昨年11月に策定した労務費指針の下、特に対応が必要とされている22業種について、各省庁は、本日の村井官房副長官の中間報告も踏まえ、自主行動計画の実施状況の把握、策定・改定等について加速をお願いします。
賃上げの裾野を更に広げていくためには、男女間賃金格差の是正や、非正規雇用労働者の方の賃金引上げも、極めて重要です。
昨年を上回る水準の春季労使交渉の本日の回答額も踏まえて、今年の最低賃金の引上げ額について、公労使三者構成の最低賃金審議会でしっかりと議論いただきたいと思います。労働生産性の引上げ努力等を通じ、2030年代半ばまでに1500円となることを目指すとした目標について、より早く達成ができるよう、中小企業・小規模企業の自動化・省力化投資や、事業承継、М&Aの環境整備等について、官民連携して努力してまいります。
そして、賃上げの地方への波及に向けては、厚生労働大臣は、地方版政労使会議の開催を実効的なものとするよう、フォローアップも含め、お願いいたします。
デフレ完全脱却のチャンスをつかみとるため、これから正念場です。労使の皆さんの総力を挙げた協力をお願いいたします。本日は誠にありがとうございました。」