建設業団体との賃上げ等に関する意見交換会
令和6年3月8日、岸田総理は、総理大臣官邸で建設業団体との賃上げ等に関する意見交換会を行いました。
総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。
「建設業界の皆様方におかれましては、能登半島地震において、発災当初からの大変厳しい状況の中で災害対応に当たっていただいております。心から感謝申し上げます。被災地の再生に向けて、建設業界のお力は不可欠であり、どうぞ引き続きお力を頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、岸田内閣では、昨年を上回る賃上げの実現に、総力を挙げて取り組んでおります。春闘では大企業を中心に力強い動きがみられるところですが、最重要課題は、適切な価格転嫁を通じて、この力強い賃上げの流れを中小零細企業に広く波及させることです。来週以降、中小零細企業、そして、建設業界の労使交渉が本格化していきます。
建設業は、重層下請構造が進み、多くの技能労働者が下請である中小零細企業で働いている。これが現状です。エッセンシャルワーカーでありながら、長年、低賃金で3K、すなわち、きつい、汚い、危険とも指摘されてきましたが、これからは、未来への前向きな新3K、給与がよく、休暇が取れ、希望が持てる産業に変えていかなければなりません。
政府としては、建設業界の公的賃上げを推進する観点から、3月1日に、公共工事設計労務単価をプラス5.9パーセント、3月下旬に、資材輸送を担う運送業の標準的運賃をプラス8パーセント、4月1日に、清掃・保全・警備に当たる建築保全業務労務単価をプラス6.2パーセントと、それぞれ大幅に引き上げます。
さらに、公共工事だけでなく、民間工事も対象として、建設業界の構造的な賃上げに向け、賃上げと価格転嫁を後押しする法案を、本日、閣議決定いたします。
そして、本日は、国土交通大臣と関係団体との間で、賃上げに関する意欲的な申合せを行っていただきました。私からも、5パーセントを十分に上回る賃上げを、各社において強力に進めていただきますよう、お願い申し上げます。
こうした官民挙げた取組を通じて、コストカットの縮み志向から成長型経済への転換を図り、設備投資と公共投資を支える建設業の担い手確保と持続的な発展につなげてまいりたいと思います。どうぞ御協力よろしくお願いいたします。」