政府与党連絡会議
令和6年1月17日、岸田総理は、総理大臣官邸で政府与党連絡会議に出席しました。
総理は、冒頭の挨拶で次のように述べました。
「本日は、新年初めての政府与党連絡会議となります。本年もどうぞよろしくお願いいたします。まず、令和6年能登半島地震でお亡くなりなられた方々に対し、心より哀悼の誠を捧(ささ)げさせていただきたいと思います。また、あわせて被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。また、羽田空港での事故で、高い使命感と責任感を持って能登半島地震に向かうために搭乗して亡くなられた海上保安庁職員5名に心から哀悼の誠を捧げます。
先日、14日ですが、上空より、能登半島の町、道路を広く見て回りました。また、避難所を視察し、厳しい避難生活の状況をこの目で確認してまいりました。凄まじい地震の爪痕を目の当たりにするとともに、被災者の方々から、大変苦労されておられるという声、また、将来に対する不安の声を直接お聞きし、改めて、被害の甚大さを痛感したところであります。
被災地の皆様が、一日も早く、安心して元の生活を取り戻せるよう、私自身が先頭に立ち、政府一体となって、できることは全てやるとの姿勢で、現下の震災対応、そして、被災者の生活と生業(なりわい)の再建支援に、全力で取り組んでまいります。被災地・被災者の立場に寄り添い、地元の御意見もしっかりと伺いながら、準備の整ったものから順次実行に移してまいります。
財政措置については、残額が4,600億円を超える令和5年度一般予備費を順次活用するとともに、昨日、令和6年度予算案の概算の変更の閣議決定を行い、一般予備費を1兆円に倍増させました。さらに、被災者の生活と生業支援のためのパッケージを可及的速やかに取りまとめ、月内に、予備費第二弾の使用決定を行います。1,000億円を上回る規模となることを想定して調整を進めてまいります。
今般の航空機衝突事故を受け、国土交通省において、運輸安全委員会の調査に全面的に協力するとともに、二度とこのような事故が発生しないよう、運輸安全委員会において原因究明を進めつつ、ハード・ソフトの両面から、更なる安全対策と再発防止対策を随時進めてまいります。
経済では、日本経済を長らく覆っていたデフレ心理とコストカットの縮み志向から完全に脱却すべく全力を挙げてまいります。
まずは、足元の物価高から国民生活を守り、物価上昇を上回る賃上げを必ず達成しなければなりません。このため、先日の中小企業との車座対話に続き、医療・介護・障害福祉団体への賃上げ要請を行います。さらには、この3ヶ月で2度目となる政労使の意見交換の開催に向け調整しています。
官民が連携して、賃金が上がり、可処分所得が増えるという状況を今年夏には確実に作り、国民の実感を積み重ねることで社会全体の意識を変えてまいります。
外交においては、本年は、緊迫の一年となります。ウクライナ侵略、中東情勢など国際情勢は予断を許しません。また、今年は米国大統領選を始め、アジア、欧州などでも重要な国政選挙が行われる年でもあります。外交力を駆使して難局を乗り越え、日本ならではのリーダシップを発揮していくことが求められており、また、我が国国民の安全と繁栄を守り抜くため、本年も首脳外交を積極的に展開してまいります。
今後開会する通常国会では、予算・税制改正、その他重要法案など、国民生活に直結する審議をお願いすることになります。
政府として、緊張感を持って審議に臨んでまいりますので、与党の皆様には、御協力をよろしくお願い申し上げます。
また、重要政策を実行するためには、政治の安定が不可欠です。自民党の政策集団の政治資金パーティーの問題についても、政治改革を求める国民の声を真摯に受け止め、国民の信頼回復のために何をすべきか、党の政治刷新本部において、外部有識者の参加も得て、しっかりと議論してまいります。
今年一年も、経済、社会、外交、あらゆる分野で重要な一年となります。改めて、まずは信頼回復に努め、政治の安定を図り、重要政策を実現してまいります。自民党・公明党の固い結束の下で取り組んでまいりますので、引き続きまして、御理解・御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。」