令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議(第5回)
令和6年1月6日、岸田総理は、総理大臣官邸で第5回令和6年能登半島地震に関する非常災害対策本部会議を開催しました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「発災から5日が経過しようとしており、死者数は、90名を超えました。改めて、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された全ての方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。
本日7時30分時点までに395名を救助するなど、現地の部隊は、懸命に救助活動を続けております。しかし、なお、今も救助に時間がかかっている箇所があります。一人でも多くの命を救うため、引き続き、あきらめず粘り強く、漏れのない救助活動に全力を尽くしてください。また、悪天候の中ですので、二次災害にはくれぐれも注意してください。
孤立集落については、自衛隊、国交省(国土交通省)、石川県等が連携して、道路復旧作業を急ピッチで行うとともに、自衛隊や警察、消防のヘリ(ヘリコプター)を活用して、昨日、10地区の孤立が解消され、672人以上が救出されました。本日以降、厳しい天候も予想されていますが、引き続き、自治体と連携しながら、支援物資の搬入や被災者の搬送など、こちらについても二次災害にくれぐれも注意しつつ、状況を踏まえた対応をお願いいたします。
また、孤立地域の早期解消に向け、壊滅的な状態になっている石川県管理の国道249号沿岸部などの幹線道路については、国が県に代わって道路の緊急復旧を更に迅速に進め、緊急輸送ルートの確保を図ってください。
災害復旧に必要な車両が現場にいち早く到着し、被災地に必要な支援物資を速やかに運搬するためにも、被災地につながる道路の交通量を減らすことが喫緊の課題です。
そのためにも、のと里山海道から被災地につながる一部の区間の通行を災害復旧や救援物資輸送に関係する車両に特化するべく、道路交通法上の交通規制を実施する方向で石川県において調整しているものと承知しています。国としても、石川県による措置を全力でバックアップし、迅速な物資等の搬入が行われるよう、取組を推進してください。
また、それに併せて、被災地に向かうための自家用車の使用を控えていただくための国民・県民の皆様への呼びかけを、引き続き強力に推進してください。
避難所におられる皆様は、冬の寒さも加わり、厳しい日々を送っておられます。集団での避難生活の長期化もあり、疲労感やストレスが蓄積しているなど、悲痛な声が聞かれます。各避難所への食料や水等の物資支援、仮設トイレの搬入・設置、健康管理、DMAT(災害派遣医療チーム)の医師・看護師等による医療支援を行うとともに、パーテイションによるプライバシーの確保、段ボールベッドの設置など避難所の環境改善にも、一刻も早く取り組んでください。
自宅に大きな被害を受けた方々は、少しでも早く補修し、住まいを確保したいと望まれています。そのための資金となる被災者生活再建支援金について、今回の甚大な被害の状況を踏まえ、速やかに県による支援法の適用を決定できるよう、手続面の支援等を実施してください。
一方で、電気、水道等の全面復旧には、時間を要する見込みです。そのため、被災者の状況やニーズを十分踏まえつつ、被災地外の避難先への移動を希望される方には、その避難先を石川県と連携して用意するよう、昨日指示をしたところです。
その際、被災地外も含め、ホテル、旅館等の空室を自治体で借り上げる、みなし避難所を積極的に活用し、避難生活の改善を早急に図ってください。
昨日、被災者の生活と生業(なりわい)支援のためのパッケージを可及的速やかに取りまとめるよう指示いたしました。各省庁におかれては、被災者・被災地の立場に立って、可能な限りの支援策を検討するよう重ねてお願い申し上げます。以上です。」