政労使の意見交換

更新日:令和5年11月15日 総理の一日

 令和5年11月15日、岸田総理は、総理大臣官邸で政労使の意見交換に出席しました。

 会議では、2024年春季労使交渉に向けて、労使の方々との意見交換が行われました。

 総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。

「我が国は、30年に及ぶデフレに悩まされてきました。コストカットが最優先され、賃金を含めた人への投資や、下請・取引先企業の納入価格、未来の成長につながる設備投資や研究開発投資まで削減されてきました。低い成長率と低い賃金の悪循環から抜け出せず、デフレ心理がまん延し、更なる悪循環を招いてきました。
 岸田政権は、過去2年間、人への投資やデジタル、グリーンなど成長分野の投資を新たな制度改革と官民の連携の下、積極的に拡大させ、賃金と成長の好循環が動き出しつつあります。本年の賃上げは30年ぶりの高水準、国内投資も過去最高、株価も30年ぶりの高水準です。デフレ完全脱却の千載一遇のチャンスが巡ってきています。
 このチャンスをつかみ取り、デフレ完全脱却を実現する。そのために、経済界においては、足下の物価動向を踏まえ、来年の春闘に向け、今年を上回る水準の賃上げの御協力をお願いいたします。
 この際、労働者の7割が中小企業で働いていることを踏まえ、中小企業が使いやすいように賃上げ税制を拡充するとともに、価格転嫁対策、特に労務費の転嫁の強化を強く働きかけます。
 今月下旬には、内閣官房と公正取引委員会連名の労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を、発注者側・受注者側に公表し、違反行為は独占禁止法に抵触するおそれがあることを示します。
 全国的にその周知徹底を図ること等により、中小・小規模企業の賃上げを全力で支援いたします。
 こうした企業における賃上げ努力を後押しする一方で、政府としても、賃上げを含めた可処分所得の増加に向けて、過去に例のない取組に踏み込みます。官民連携により、来年に向けて、賃金を含めた可処分所得が物価を超えて伸びていくよう、取り組んでいきます。
 その一環として、来年6月のタイミングで、本人・扶養家族を問わずに一人当たり計4万円、約9,000万人を対象に、所得税・住民税の定額減税を実施いたします。子供二人の子育て世帯では16万円の減税となり、子育て支援型減税とも言えるものです。
 あわせて、非正規雇用労働者の処遇改善を進めるため、同一労働・同一賃金制について、労働基準監督署による調査結果を踏まえ、文書で指導を実施するとともに、正社員化に向けての支援措置を強化いたします。
 また、賃上げの原資ともなる、国民の可処分所得を後押しする原動力となる、我が国の稼ぐ力を強くしていくために、投資促進に全力を挙げます。
 そのため、地方を含め、全国でしっかりと投資を後押しし、過去最大の投資が行われつつある現在の流れを更に強めることで、成長と賃金の好循環を回していきます。
 日本経済がデフレに後戻りするか、デフレ完全脱却の道に向かうかの正念場です。政府としては、脱デフレのチャンスをつかみ取るために総力を挙げます。労使の皆様の御協力をお願いいたします。」

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