GX実行会議
令和5年11月7日、岸田総理は、総理大臣官邸で第8回GX(グリーン・トランスフォーメーション)実行会議を開催しました。
会議では、我が国のグリーン・トランスフォーメーション実現に向けてについて議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「官民が連携して加速する150兆円のGX投資のうち、本日は3つの分野について現状をお伺いいたしました。くらしGXについては、本日、エコワークスの小山社長から、くらし分野のGXが国民生活にとってどれほどの効果をもたらすのか、わかりやすく御紹介いただきました。
断熱窓への改修、高効率給湯器など国民一人一人の生活が快適で、さらには家計の負担軽減につながるような投資を集中的に進めてまいります。政府として、こうした取組を前倒しで実施するため、今般の経済対策に盛り込みます。その上で、今後3年間で集中的に2兆円規模の支援策を講じ、くらし関連部門での民間事業者の積極的な投資を呼び込みます。
これにより、住まいの改修費用や電動車の購入費用などをいち早く引き下げます。また、JFEの北野社長、三井化学の橋本社長からの御説明により、産業部門のGXについて、世界各国がしのぎを削り、投資競争を加速させる中、我が国としても一刻の猶予もなく官民挙げて投資判断を加速させる必要があることが浮き彫りになりました。
鉄鋼、化学のみならず、日本経済の成長と脱炭素の鍵を握る蓄電池、次世代自動車、半導体、水素・アンモニアなどの新たなエネルギー分野について、産業分野ごとに海外の投資環境に引けをとらないよう、政府としても予算、税制、規制・制度改革を組み合わせた投資支援パッケージを講じます。
また、来年から国際認証を受けたGX経済移行債の発行が始まります。それに先立って、資金使途等のフレームワークについて、国際基準に合致しているとの国際的評価に至りました。世界で初となる国としてのトランジション・ボンドであるGX経済移行債は、産業界、アジアにおける同様の取組の呼び水となることが期待されます。
特にアジアにおける2050年までの4,000兆円と言われる、GX投資に世界の資金を集めていく上で、非常に重要な基盤となります。12月には、東京でアジアゼロエミッション共同体(AZEC)の初めての首脳会合を開催いたします。日本のGXの取組がアジア、さらには世界の脱炭素を牽引(けんいん)できるよう、国内のGX投資を成長のエンジンとしていくのみならず、アジアの脱炭素型成長をリードするものとすべく、世界をにらんだ戦略的な取組にしてまいります。以上です。」