観光立国推進閣僚会議
令和5年10月18日、岸田総理は、総理大臣官邸で第21回観光立国推進閣僚会議を開催しました。
会議では、オーバーツーリズムの未然防止・抑制に向けた対策パッケージ(案)について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「国土交通大臣より、1月から9月の訪日客数は累計で1,700万人を超え、足元ではコロナ前の水準をおおむね回復し、1月から9月までの訪日外国人旅行消費額は3.6兆円と政府目標である5兆円の達成も視野に入る勢いであるほか、8月の外国人延べ宿泊者数はコロナ前水準を超えているという報告がありました。
一方で、インバウンドの宿泊先は3大都市圏が7割で、一部の地域や時間帯によっては、過度の混雑やマナー違反による地域住民の生活への影響や、旅行者の満足度の低下への懸念も生じています。
私自身、8月に沖縄で行った車座対話において、観光の最前線で活躍されている方々からお話を伺い、オーバーツーリズムの問題への対応と、地方部への誘客促進に正面から取り組む必要性を強く感じました。
このため、オーバーツーリズムの未然防止・抑制のための緊急対策を取りまとめ、持続可能な観光に向けた新たな取組に着手いたします。
第1の柱は、観光客の集中による過度の混雑やマナー違反への対応です。
タクシー不足に対応する緊急措置、バスから地下鉄の乗換え促進、手ぶら観光促進など、交通手段や観光インフラの充実を通じた受入れ環境の整備・増強、富士山を始めとする人気の観光地の入域管理や混雑運賃などによる需要の適切な管理、混雑の可視化や高速道路料金割引の見直しなどによる空いている時間や場所への分散、統一ピクトグラムなどを通じたマナー違反の防止・抑止を、政府として、強力に支援してまいります。
第2の柱は、地方部の観光地の魅力向上などを通じた地方部への誘客促進です。
地方部の11モデル地域の高付加価値化のための集中的支援、全国各地の特別な体験や期間限定の取組と世界への発信に対する支援、十和田八幡平(とわだはちまんたい)、中部山岳、大山隠岐(だいせんおき)、やんばるの4つの国立公園への宿泊施設誘致や自然体験アクティビティ提供などの魅力向上とブランド化など、地方部を中心に重点的に実施してまいります。
こうした取組が、地域の実情に応じて円滑に進むよう、政府・自治体・民間の連携強化に取り組みます。この一環として、地域主導で取組を行う約20地域に対する包括的な支援を行い、先駆モデルを創出して、他地域に横展開してまいります。
斉藤国土交通大臣を中心に、関係大臣におかれては、対策の内容を経済対策に反映し、住んでよし、訪れてよし、受け入れてよしの持続可能な観光地づくりに向けて、政府一丸となって精力的に取り組んでください。」