デジタル行財政改革会議
令和5年10月11日、岸田総理は、総理大臣官邸で第1回デジタル行財政改革会議を開催しました。
会議では、デジタル行財政改革会議の運営等について議論されました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「今日は会議への御協力、誠にありがとうございました。デジタル行財政改革がスタートしました。人口減少が進行している日本だからこそ、デジタルの力を借りて、必要であれば、国と地方の行財政の仕組みを変えていく。様々な制度や仕組みも改革していく。利用者起点で、公共サービスの維持・強化と地方の活性化を図り、社会変革を実現していく、これがデジタル行財政改革であると考えています。
足下で、大きな変化が既に起きています。それらの変化を力にし、明日は今日よりも良くなる日本を実現していきたいと考えています。そのために、デジタル田園都市、行革、規制改革、これらを束ねる司令塔として、デジタル行財政改革会議を設置し、改革の司令塔としての役目を、河野大臣にお願いすることといたしました。
本日、河野大臣から説明がありましたとおり、デジタル行財政改革の3本柱は、1つ目として、デジタルによる質の高い公共サービスの提供、2つ目として、デジタル活用を阻害している規制・制度の徹底した改革、3つ目として、EBPM(証拠に基づく政策立案)を活用した予算の見える化による事業・基金の見直し、この3点です。この方針に沿って、政府を挙げて、取組を進めていきたいと考えています。
まず、質の高い公共サービスの提供と規制・制度の見直しを一体的に実現するためには、本日、示された取組案について、河野大臣と関係大臣で、検討を加速するようにしてください。
具体的には、まず盛山大臣においては、デジタル教育の実効性を高めるため、GIGA端末や校務システムの統一・共同調達の検討を進めるとともに、デジタル教材の活用、民間人材の活用拡大、またオンライン教育の活用、これらを加速してください。
斉藤大臣においては、地域交通の担い手不足や、移動の足の不足といった、深刻な社会問題に対応するため、タクシー・バス等のドライバーの確保や、不便の解消に向けた地域の自家用車・ドライバーの活用などの検討を進めるとともに、西村大臣と協力して、自動運転やドローンの事業化を加速してください。
武見大臣においては、介護事業者向けのDX(デジタル・トランスフォーメーション)支援のほか、年末の介護報酬の改定の機会も活用し、生産性の抜本向上のための適切なKPI(重要業績評価指数)の設定などを具体化してください。また、オンライン診療の拡充等の検討を加速してください。
そして、加藤大臣においては、自見大臣と協力して、プッシュ型子育て支援や、保育DXによる現場の負担軽減、子供や家庭に寄り添った相談業務のDXを進めてください。
松村大臣には、避難所等におけるマイナンバーカードの活用など、防災DXの加速をお願いいたします。
この社会変革を進める上でスタートアップの活用、これも重要です。システム調達におけるスタートアップの参入機会の拡大を進めてまいります。これについては小泉大臣に、是非、創業環境の改善のため、公証人による定款認証の見直しをお願いいたします。
そして、鈴木総務大臣と河野大臣で連携して、これらの取組の基盤となる、国・地方のデジタル基盤の統一化・共通化を具体的に進めてください。河野大臣は、アナログ規制の見直しについても、確実に進めてください。
そして、EBPMに関しては、鈴木財務大臣と河野大臣及び鈴木総務大臣で連携し、行政事業レビューシートを活用した予算の更なる見える化を進めるとともに、コロナ以降に拡大した事業・基金を見直し、政策効果を向上させるなど、予算事業の不断の見直しを進めてください。
そして最後に、年末の中間報告を待たず、できるものから改革を迅速に実行するべく、河野大臣と関係大臣が緊密に協議し、取組を進めるとともに、新藤大臣におかれては、今月末に取りまとめる予定の経済対策において、デジタル技術の社会実装を強力に後押しする施策を盛り込んでください。
デジタル行財政改革の3本柱の実行に向けて、有識者の皆様におかれましては、引き続きお力添えを頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。」