国内投資拡大のための官民連携フォーラム
令和5年10月4日、岸田総理は、総理大臣官邸で国内投資拡大のための官民連携フォーラムを開催しました。
会議では、国内投資拡大に関する意見交換が行われました。
総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。
「本日も国内投資拡大のための官民連携フォーラムに御参加いただき、また御協力いただきましたこと、心から感謝申し上げます。
日本経済は、今、大きな曲がり角にいます。これまで30年間、コストカット型の経済の下で、人への投資や設備・研究開発投資までも削られ、消費と投資の停滞を招いた状況が続いてきました。しかし、今年、30年ぶりの高水準の賃上げ、そして企業投資など、大きな変化の兆しが見られつつあります。
本日、国内外の経営者の皆さんから、日本で、とりわけ地方各地において、投資が着実に行われ、良質な雇用につながり始めている多様な事例が具体的に示され、大変心強く聞かせていただきました。設備投資は、今年、名目100兆円という、史上最高水準となる見通しであり、来年に向けてこの勢いを維持・拡大してまいります。
今週はジャパン・ウィークスとして、世界の投資家も日本に集まっており、正に世界が日本の動向に注目しています。
新たなステージに移っていくために、この良い流れを更に強くしていかなければなりません。本日、経済界からは、人手不足に率直な危機感を表明いただきました。この危機感を逆手に取って、規制改革に取り組むとともに、省人化投資といった攻めの投資を促し、コストカットではなく付加価値の拡大、持続的な賃上げという好循環を生み出してまいります。特に、国内・地域の投資を拡大している中堅企業に、こうした持続的な賃上げに資する国内投資の力強い牽引(けんいん)役を期待したいと思っています。
また、蒲島(かばしま)知事からは、現地の声としてインフラ整備の必要性に言及がありました。せっかくの民間の投資拡大の動きに、政府がブレーキをかけてはならない。戦略分野の事業拠点に必要なインフラ投資を、追加的に複数年かけて安定的に対応できる機動的な仕組みを創設いたします。土地利用の規制についても、国家プロジェクトが円滑に進むよう、柔軟に対応してまいります。
さらに、グローバルな戦いに負けない、大胆な政策が重要との指摘も頂きました。米国等の税制も参考に、戦略分野の国内投資促進に向けて生産活動に応じた減税制度を創設し、知的財産から生じる所得に対し減税するイノベーションボックス税制の創設を図ってまいります。
本日頂いた様々な御指摘をしっかりと受け止めて、予算・税制・規制のあらゆる面で世界に伍(ご)して競争できる投資支援パッケージを年内に取りまとめます。手始めに、今月中をめどに取りまとめる経済対策において、戦略分野への投資促進、賃上げにつながる省人化投資、喫緊の対応が迫られるインフラ整備など、先行して取り組むべき施策を盛り込みます。
経済再生担当大臣、経産大臣(経済産業大臣)を始め、各府省庁一丸となって、前例にとらわれない施策の具体化を進めてもらいたいと思います。インフラ整備については、地方創生担当大臣が中心となって、国土交通大臣、経産大臣と連携してください。経済界が掲げる2027年度115兆円の投資目標の実現に向けて、今こそ一歩前に出て、30年ぶりの変革のチャンスをつかみ取ろうではありませんか。関係各位の御協力をお願い申し上げます。」