認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議
令和5年9月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で認知症と向き合う「幸齢社会」実現会議を開催しました。
会議では、構成員プレゼンテーション及び意見交換が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、認知症と向き合う『幸齢社会』実現会議、初めての会合を開かせていただきました。認知症の方御本人及びその御家族など、様々な関係者の皆様方に御参加いただきました。そして幅広い立場で構成員の皆様方から貴重な御意見を頂きましたこと、心から感謝申し上げます。
皆様方の御意見は、今後、十分に政策等に反映させていただきたいと思っておりますが、本日はひとまず3点申し上げさせていただきたいと思います。
まず第1に、一昨日、レカネマブが薬事承認されました。これは画期的な新薬であり、認知症の治療は新たな時代を迎えました。しかし、治療対象の患者が限られているなど、課題もあります。まずは、新薬へのアクセスや投与後のモニタリング等が適切に確保されるように、必要な検査体制、また医療提供体制の整備について、厚生労働大臣に検討を進めてもらいたいと思います。
そして第2に、治療薬の開発、これは引き続き推進する必要があります。国際競争が激化する中、我が国のリードを広げるべく、認知症、脳神経疾患、研究開発イニシアティブについて、健康・医療戦略担当大臣において具体的な検討を進めていただきたいと思います。あわせて、高額医薬品について、国民皆保険の持続性とイノベーションの推進の両立の観点から、薬価制度の改革を含めた対応を、厚生労働大臣を中心に検討してもらいたいと思います。
そして3点目は、岸田政権では安心して歳(とし)を重ねることができる『幸齢社会』づくり、これを進めてまいります。身寄りのない方を含め、認知症になったとしても安心できる、このためには、身元保証等の課題、これを解決していかなければなりません。厚生労働大臣において、実態把握、そして課題の整理、これを進めていただきたいと思います。そして、それとともに、官房長官を中心として、課題解決に向けた省庁横断の体制、これを構築させていただきたいと思っています。
そして今日、これ以外にも、様々な貴重な御意見や御指摘を頂きました。今申し上げた3点に限らず、緊急的に対応すべきものについては、来月をめどに経済対策を取りまとめることにしておりますが、その中にも是非反映させたいと考えております。
引き続き、構成員の皆様から御意見を伺い、年末に向けて議論を深めていただき、認知症基本法の施行に先立って意見の取りまとめを行いたいと考えておりますので、今後とも構成員の皆様方及び関係大臣におかれましては、御協力をお願いしたいと思います。
改めて、今日も御協力いただきましたことに感謝申し上げます。ありがとうございました。」