知的財産戦略本部
令和5年6月9日、岸田総理は、総理大臣官邸で第52回知的財産戦略本部を開催しました。
会議では、知的財産推進計画2023について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「委員の皆様方におかれましては、活発な御議論をいただきました、感謝申し上げます。本日、知的財産推進計画2023を決定いたしました。
日本のイノベーションを活性化し、持続的な経済成長を実現していくためには、多様なプレイヤーが、知的財産の価値を最大限に引き出す社会へと変革していくことが重要です。
第1に、スタートアップと大学の知財エコシステムを一層強化していきます。大学での研究成果が、スタートアップ等を通じてスピーディーに社会実装される好循環を目指し、今年3月には、大学知財ガバナンスガイドラインを策定しました。国際卓越研究大学制度との連携を通じて、このガイドラインの浸透を図り、イノベーションのハブとしての大学の機能強化を図ります。
第2に、生成AI(人工知能)と知的財産の在り方について、G7広島サミットやAI戦略会議の議論を踏まえ、責任あるAI、信頼できるAIの推進に向け、AI技術の活用促進と知的財産の創造インセンティブの維持の双方に配慮し、著作権侵害などの具体的リスクへの対応を始め、必要な方策を検討してまいります。
第3に、我が国のコンテンツの力をフルに活(い)かし、コンテンツ産業の強靭(きょうじん)化や構造改革、クリエイターの育成・創出を官民一体となって進めるため、官民連携による協議の場を設けます。
加えて、コンテンツの創作と利用の循環加速の観点から、今国会で改正された著作権法に基づき、簡素で一元的な権利処理のための窓口組織の創立と、分野横断権利情報検索システムの整備を進め、デジタル時代における新たな社会インフラを整備いたします。
高市大臣を中心に、関係閣僚は、本日決定された推進計画を速やかに実行に移していただくよう、お願いいたします。」