全国市長会議
令和5年6月7日、岸田総理は、都内で開催された第93回全国市長会議(通常総会)に出席しました。
総理は、祝辞で次のように述べました。
「皆様おはようございます。内閣総理大臣の岸田文雄です。第93回全国市長会議が、本日、こうして盛大に開催されますことを、心からお慶(よろこ)び申し上げます。
市長の皆様方には、日頃から、地域社会の発展、また住民の皆さんの福祉の向上に御尽力いただいていること、改めて敬意と感謝を表し申し上げたいと思います。
まず先週、梅雨前線による大雨や台風により、広範囲で大きな被害が生じました。お亡くなりになられた方、被害を受けられた皆様方に、心よりお悔やみとそしてお見舞いを申し上げます。
政府としては、地方自治体と緊密に連携し、被害からの早急な復旧に努めてまいります。
そして、先ほど立谷会長の方から、今日の会議が久々にリアルで盛大に開催するというお話がございました。
先月8日から、新型コロナを5類感染症に移行いたしました。
ワクチン接種を始め、ウイルスとの戦いに全力で取り組んでいただいております市長の皆様方に、改めて厚く感謝申し上げる次第です。
引き続き、備えを万全にしながら、市長の皆様方と共に社会の活性化、経済再生に向けて取り組んでいきたいと考えております。
そして喫緊の課題であります物価高騰対策については、本年1月から実施中の電気代・ガス代の負担軽減などとともに、本年3月には、コロナ物価予備費を使用し、生活者・事業者支援のための1.2兆円の地方交付金、低所得子育て世帯への児童当たり5万円の給付金などを設けました。
引き続き、各市において、国民の皆様にいち早く支援をお届けいただくようお願いを申し上げる次第です。
さらに、新しい資本主義の下、力強い成果が出始めている賃上げと人への投資、また民間投資の増加の流れ、これを加速することで、安定的な経済成長の実現に取り組みます。
そして若者・子育て世代の所得を伸ばしながら、併せて少子化対策にスピード感をもって取り組んでまいります。少子化対策については、先週お示しいたしましたこども未来戦略方針案において、1つは、若い世代の所得を増やすこと、2つ目として、社会全体の構造・意識を変えること、3つ目として、全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援すること、この3つの基本理念に基づく抜本的な政策の強化を打ち出しました。
骨太の方針までに、更に検討を深め、こども未来戦略方針を取りまとめます。こども・子育て政策の強化は、国と地方が車の両輪となって取り組んでいくべきあり、引き続き、市長の皆様方と協力してまいりたいと考えております。
骨太の方針においては、少子化対策・こども政策の抜本強化のほか、デジタル田園都市国家構想による地域の活性化など、我が国を再び力強い成長軌道に乗せる経済財政運営を展開するための方向性、これを明らかにしています。
そして、マイナンバーカードですが、先ほど立谷会長の御挨拶の中にもございました、地方の市長の皆様方にも大変な御尽力いただき、その累計の申請数が人口の約8割となりました。
マイナンバーカードがデジタル社会のパスポートとして本格的に機能していくためには、個人情報保護と国民の信頼確保、これが前提であり、カードに関係する誤り事案を重く受け止める必要があります。
カードの信頼確保に向け、事案に関する全てのデータやシステム、これを再点検するなど、万全の対策を迅速かつ徹底して講じてまいります。
各市においても国と連携して必要な対策にしっかり取り組んでいただきたいと考えております。
そして、今申し上げた様々な課題について、課題も含めて先ほど立谷会長から様々な国に対する御要請も頂きました。
こうした市長の皆様方が平素、最前線で感じておられる様々な課題や問題意識について、これからも丁寧にお聞かせいただきながら、こうした現下の課題の対応に、市長の皆様方と協力しながら、政府一丸となって取り組んでまいります。是非引き続きまして、改めて御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。
結びに、全国市長会のますますの御発展と、本日御列席の皆様方の一層の御活躍、心から御祈念申し上げまして、祝辞とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。」