新しい資本主義実現会議

更新日:令和5年6月6日 総理の一日

 令和5年6月6日、岸田総理は、総理大臣官邸で第19回新しい資本主義実現会議を開催しました。

 会議では、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版案等の決定について、議論が行われました。

 総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。

「本日は、新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改定案について、取りまとめました。

 昨年6月に閣議決定して以降、この1年の間に、スタートアップ育成5か年計画、資産所得倍増プラン、そして三位一体の労働市場改革の指針と、具体的政策が着実に進展してきました。

 これに呼応して、民間部門においても、30年ぶりとなる高い水準の賃上げ、企業部門に醸成されてきた高い投資意欲など、これまでの悪循環を断ち切る挑戦が確実に動き始めています。

 こうした動きを更に持続的・構造的なものにしていくため、今般、改訂を行い、閣議決定することとしました。

 第1に、人への投資・構造的賃上げ・労働市場改革です。

 まずはリ・スキリングによる能力向上支援を促し、それを的確に評価し、賃上げにもつなげていくために、職務給、ジョブ型の人事の導入を進めます。これにより、希望する個人が、雇用形態、年齢、性別、障害の有無を問わず、自らの意思で、企業内での昇任・昇給や、企業外への転職による処遇改善、さらにはスタートアップ等への労働移動といった機会を確保できる社会を作っていきます。

 また、中小企業等への対応について、賃上げの原資を確保し、成長と賃金上昇の好循環を実現する価格転嫁対策を徹底します。

 第2に、投資促進です。市場に任せるだけでは過少投資となりやすい分野について、官民連携を進め、的を絞った公的支出を行い、これを呼び水として民間投資を拡大させます。

 特に、半導体・蓄電池・データセンター・バイオといった戦略分野では、大規模な立地・投資を計画する必要があり、ランニングコストも巨額に上ります。民間事業者にとっては、中長期にわたって十分な予見可能性が確保されていることが重要です。世界に遜色ない水準で、税制・予算面での支援を検討します。

 AIについては、利用の促進、リスクへの対応、開発力の強化の3本柱に沿って取組を行います。日本の誇るべきクリエイター支援についても検討を開始します。

 科学技術・イノベーションについては、認知症の治療などの健康医療分野、量子技術などに取り組みます。

 第3に、スタートアップ育成と企業の参入退出の円滑化です。

 ストックオプションについての会社法制上の措置を講ずるとともに、税制の拡充を図るなど、5か年計画を確実に推進します。

 また、事業不振の場合の早期相談体制の構築、金融債務の減額についての事業再構築法制の整備などに取り組みます。

 第4に、新しい資本主義の重要な要素である社会的課題の解決について、インパクトスタートアップの認証制度の創設など総合的な支援に取り組みます。

 加えて、資産運用力の向上に向けた取組や、地方におけるデジタル田園都市国家構想の実現のため、規制の一括改革等を進めます。

 今月中旬の閣議決定に向け、後藤大臣を中心に、関係大臣が協力して、与党とも調整を進めていただくようお願いいたします。」

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