政労使の意見交換
令和5年3月15日、岸田総理は、総理大臣官邸で政労使の意見交換に出席しました。
会議では、令和5年春季労使交渉の集中回答日に当たり、労使の方々との意見交換が行われました。
総理は、本日の意見交換を踏まえ、次のように述べました。
「本日は、春季労使交渉の集中回答日であり、今後の中小企業や小規模事業者の賃金交渉に向けて、労使の代表の皆さんと意見交換の場を持ちました。
賃上げは、新しい資本主義の最重要課題です。
本日も、経団連会長から、多くの大手企業が高い支給水準の回答を出すなど積極的な対応が表明されたとの御報告がありました。
また、日本商工会議所会頭から、大企業における賃上げの動きが中小企業、小規模事業者に広がっていくために、取引適正化などが不可欠であるとの御発言がありました。
政府としても、政策を総動員して、環境整備に取り組みます。
中小・小規模企業の賃上げ実現には、労務費の適切な転嫁を通じた取引適正化が不可欠である点について、基本的に合意がありました。政府としても、公正取引委員会の協力の下、労務費の転嫁状況について業界ごとに実態調査を行った上で、これを踏まえて、労務費の転嫁の在り方について指針をまとめてまいります。また、業界団体にも、これまで政府で実施した各般の価格転嫁に関する調査の結果を踏まえ、自主行動計画の改定・徹底を求めます。
また、男女間賃金格差の是正や、非正規労働者の方々の賃金引上げは極めて重要です。
最低賃金について、昨年は過去最高の引上げ額となりましたが、今年は、全国加重平均1,000円を達成することを含めて、公労使三者構成の最低賃金審議会で、しっかりと議論いただきたいと思っております。
また、地域間格差の是正を図るため、地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げることも必要です。
この夏以降は、1,000円達成後の最低賃金引上げの方針についても議論を行っていきたいと思っております。
さらに、同一労働同一賃金の施行の徹底について、今月から本格的に取り組む、全国321か所の労働基準監督署による調査を踏まえ、年内に格差の状況をフォローアップし、その後の進め方を検討していきます。
成長と分配の好循環の実現のための転換点がこの春の賃金交渉であり、本日お集まりの皆様の御協力をお願いいたします。
また、リスキリングによる能力向上、職務に応じた適正なスキルの評価、自らの選択による労働移動の円滑化、この三位一体の労働市場改革を実施することにより、さらにその先に、構造的な賃金引上げを目指してまいります。」