物価・賃金・生活総合対策本部
令和4年8月15日、岸田総理は、総理大臣官邸で第3回物価・賃金・生活総合対策本部を開催しました。
会議では、経済・物価の現状と対応策について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「今般、歴史を画する様々な課題が生ずる中で、高い危機感を持って、有事に対応する『政策断行内閣』を速やかに整えるため、内閣改造を断行いたしました。閣僚の皆さんには、最大限の危機意識を持って有事に当たってもらうようお願いいたします。
まずは、足元の物価・景気の状況に速やかに対応すべく、以下3点指示いたします。
まず第1に、食料品です。日常の生活に欠かせない、パンや麺類などの製品価格の高騰は切実です。先週末のヒアリングでも現場の声を伺いました。輸入小麦価格は現在、ウクライナ侵攻以前を反映した水準に据え置いていますが、このままだと、10月以降、年度前半の国際価格の高騰を反映して2割程度、価格が上昇するとの説明がありました。野村農水大臣には、輸入小麦について、10月以降も、政府から国内製粉会社への売渡価格を据え置くよう指示いたします。早急に、対応策を具体化してください。あわせて、飼料価格の動向を踏まえて、引き続き畜産物の価格上昇の抑制を図るとともに、食品ロス削減対策を強化するなど、食料品全般の価格上昇にきめ細かく施策を講じてください。
第2に、エネルギーです。西村経済産業大臣には、以下3つ指示いたします。
まず1つ目がガソリン等の燃料油価格の負担軽減について、現行の激変緩和事業の上半期の実施状況も踏まえつつ、10月以降の対策を具体化すること。
2つ目として、電力について、需要が最も高まる冬に向けて、最大9基の原子力発電所の稼働を確保するなど、追加の供給力確保に引き続き最善を尽くすとともに、不測の事態に備えた追加的な燃料調達に向けて、官民一体で万全の取組を行うこと。
3つ目として、実質的な電気代の負担軽減について、地方創生臨時交付金の活用を含め、地域の実情を踏まえた効果的な電力料金対策を講じること。この3つを、西村大臣にお願いいたします。
そして第3の指示ですが、本日議論した地域の実情に応じたきめ細やかな支援を更に展開すべく、岡田地方創生大臣には、1兆円の地方創生臨時交付金を増額するよう指示いたします。寺田総務大臣と連携して、物価高騰対応により重点的・効果的に活用される仕組みへと見直しを図りつつ、対策を一層強化してください。
今、申し述べた3点の施策を中心として、概算要求後速やかに、9月上旬を目途に、この本部において追加策を取りまとめます。新たな財源措置を伴うものについては、コロナ・物価予備費を機動的に活用し、国民の皆さんに迅速にお届けします。その上で、経済は生き物です。状況に応じて、前例に捉われることなく、切れ目なく大胆な対策を講じてまいります。
また、物価上昇が国民生活に大きな影響を与えている中で、持続的な賃上げが重要です。持続的な賃上げに向けた総合的な取組みの一環として、本日議論した、下請け中小企業へのしわ寄せ解消に向けた価格転嫁対策の強化を進めてください。
以上、関係閣僚においては、物価・生活対策の具体化を加速していただきますようお願いいたします。」