GX実行会議
令和4年7月27日、岸田総理は、総理大臣官邸で第1回GX(グリーントランスフォーメーション)実行会議を開催しました。
会議では、GX実行会議における議論の論点について議論が行われました。
総理は、本日の議論を踏まえ、次のように述べました。
「まず、グリーントランスフォーメーション、すなわちGXは、単なる化石エネルギーからの脱却にとどまるものではありません。2050年炭素中立の目標達成に向けて、エネルギー、全産業、ひいては経済社会の大変革を実行していくものです。日本は、それに向けて、2030年度温室効果ガスマイナス46パーセントという非常に難度の高い国際公約を掲げています。
一方、足元では、ロシアのウクライナ侵略に関連した国際エネルギー市場の混乱・価格高騰、国内における電力やガスの需給ひっ迫の懸念など、1973年の石油危機以来のエネルギー危機が危惧される極めて緊迫した状況にあります。エネルギーの安定供給の再構築が早急に求められています。
まず、足元の危機の克服が最優先です。この危機の克服なくして、2030年・2050年に向けたGXの実行はありえません。
他方、足元の危機の克服が中長期のGXの実行と別々のものであってはなりません。足元の危機克服を、GX実行に向けた10年ロードマップの第一段階に位置付けるものとしなければならないと考えます。
こうした観点から、このGX実行会議では、危機の克服とGXの実行を一体的に捉えた議論を行い、緊急性に照らして順次、政策を提言してもらいたいと思います。提言された政策の実行に当たっては、本日任命したGX実行推進担当大臣を始め、政府・関係閣僚を挙げて尽力してもらいたいと思います。
そして、次回のGX実行会議では、第1に、この冬始め、今後数年間危惧されている電力・ガスの安定供給に向け、再エネ・蓄電池・省エネの最大限導入のための制度的支援策や、原発の再稼働とその先の展開策など具体的な方策について、政治の決断が求められる項目を明確に示してもらいたいと思います。
第2に、この安定供給に向けた具体的な方策が、GXに向けた今後10年間のロードマップの第一段階として位置付けられることを国民に分かりやすく示してもらいたいと思います。
そして第3に、ロードマップにおける5つの政策イニシアティブについて、具体化に向けて、更に検討を深めていただきたいと思います。
GXの実行は、新しい資本主義実現のための最重要の柱の一つです。政府が呼び水を用意し、官民の投資を集めることで、中長期の脱炭素という課題を我が国の成長エンジンへと転換し、持続可能な経済を作っていきたいと考えております。」