日本公認会計士協会定期総会
令和4年7月25日、岸田総理は、都内で開催された日本公認会計士協会の定期総会に出席しました。
総理は、挨拶で次のように述べました。
「本日は、日本公認会計士協会第56回定期総会が盛大に開催されますことをおよろこび申し上げ、また、お招きにあずかりましたことを厚く御礼を申し上げます。
証券市場を支える公認会計士の皆様におかれましては、コロナ禍においても、感染拡大防止に努めながら、監査業務を継続し、企業の決算作業、そして適正な企業活動を支えていただいております。心より敬意を表し申し上げます。
足元、新型コロナの感染が拡大しています。引き続き、最大限の警戒を保ちつつ、社会経済活動の回復に向けた取組を段階的に進めてまいります。
さらに、新型コロナに加え、ロシアによるウクライナ侵略や、世界的なエネルギー・食料品の高騰など、予断を許さない状況が続いています。
政府としては、G7を始めとする国際社会と共に対応すると同時に、国内においても、景気・物価の状況に応じ、機動的な経済財政運営を行ってまいります。
その上で、新しい資本主義のコンセプトの下、官民連携して、気候変動や格差といった社会課題を成長のエンジンにして、持続可能な経済をつくってまいります。
その一環として、政府は、企業の情報開示について、人材育成方針、男女別賃金、女性管理職比率などの人的資本・多様性に関する情報や、近年とりわけ投資家の注目を集めている気候変動対応などのサステナビリティに関する情報を有価証券報告書の記載事項として位置付け、来年度から開示を義務付けることとしています。その具体的な内容については、現在、金融庁において検討しており、本年秋頃には、お示ししていきたいと考えております。
その中で、公認会計士の皆様に対しては、そうした非財務情報の信頼性確保に一層の役割を担っていただくことになります。
監査業務を通じて、財務に関する情報の信頼性を確保し、我が国の経済活動の基盤を支えると同時に、サステナビリティといった社会課題の解決に資金が集まる流れを確保することで、新しい資本主義の推進力になっていただきたい、このように期待しております。
今月、日本公認会計士協会では、『信頼の力を未来へ Building trust, empowering our future』というキャッチフレーズの下、公認会計士というブランドを社会に浸透させるための取組をスタートしたと聞いております。
今年5月には、上場会社などの財務書類の監査証明業務に関する登録制の導入など、会計監査の信頼性確保を内容とする公認会計士法の改正も行われ、来年春の施行を目指しています。
公認会計士の皆様には、市場からの信頼の下、高い倫理観と専門的知見を社会で幅広く発揮していただきたいと思っております。
日本公認会計士協会及び会員各位の今後ますますの御繁栄、御発展を祈念いたしまして、私の挨拶とさせていただきます。本日は誠におめでとうございます。」